具体策なきUSTRタイ代表の演説
「われわれはすべての手段を、必要があれば新たな手段を含めて、準備しておく必要がある」
10月初旬、米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は、アメリカのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)における講演でこう強調した。しかし、具体的な手段への言及はなかった。
タイ通商代表は、中国との競争は歓迎するが、その競争は公正であるべきと主張。中国は国家中心のシステムにより世界市場を歪めており、国際社会の懸念に答える改革を怠っていると批判した。これに対し、アメリカは国内に投資を行い、また同盟国等と協力し、強い立場から中国に臨むと宣言した。そのうえで、初期的措置として以下の4つを提示した。
② 1974年通商法301条に基づく対中関税の除外措置を再開する。
③ あらゆる手段(必要なら新たな手段)を用いて、中国の有害な非市場的貿易慣行からアメリカの利益を守る。
④ 懸念を共有する同盟国やパートナー国と協議・調整してルール形成等に協力する。
4つのポイントと問題点
1つ目の2020年1月の第1段階合意では、知財保護や金融市場開放など一定の改革は盛り込まれたが、国営企業や補助金などの重要な構造問題は含まれず、中国によるアメリカの農産品等の大量購入約束が中心となった。


















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