「学校に行かなくていい」両親が毅然と決めた瞬間 夫婦連れだって学校訪問して見えたこと

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中1から不登校になった小倉さんの息子さん。進路を決める時期に親が決意した高校進学以外の選択肢とは(写真:Blue flash/PIXTA)

愛知県にお住まいの小倉裕子さんにインタビューした。小倉さんの息子さんは中学1年から不登校。学校や考え方のちがう夫とどう向き合ったか、何が支えになったのかなどをお話しいただいた。インタビュアーは同じ愛知県在住で、自身も中学2年から不登校を経験した鬼頭信さん(写真はイメージ画像です)。

――息子さんが中1で不登校されたということですが、どういうきっかけでしたか?

当記事は不登校新聞の提供記事です

中学1年生の1学期時点からすでに中学校になじめなかったようです。自然が大好きな子で、小学校のときは毎日のように友だちと山や川に遊びに行っていました。けれど中学生になったらみんなが外遊びをパッタリ辞めてしまって、塾へ行きだしたんです。

というのも、私たちが住んでいた地域はニュータウンとして開発された地域で、学力志向が強かったんです。よい大学へ行くことを目指す家庭のほうが多かったと思います。PTAの方からは、「中学1年生で英検の4級くらいはできていないと」なんて言われてしまうほどで、塾へ行かない中学生はかなりめずらしかったんです。

息子は友だちを遊びに誘うと、「そんなことやってたらだめだよ」と言われてしまって。そのため、自分も塾へ行かなきゃいけないと思ったようです。しかし、実際に塾へ行くと、自分と合わなかったようで、結局行かなくなりました。息子が言うには、塾の先生はバイトの大学生だし、教える内容はテストの点を取るためだけの勉強で、つまらなかったそうです。

夏休み明け、体調不良に

夏休み中も「学校へ行きたくない」と言っていた息子は、夏休みが終わる数日前には顔から笑顔が消えてしまいました。

今思えば、学校が始まることに相当プレッシャーを感じていたんだと思います。それでもガマンして登校していると、体調がどんどん悪くなっていきました。朝トイレから出てこなくなったり、帯状疱疹が出たり、血圧もすごく上がったので、とにかく病院に連れて行きました。かかりつけの小児科や、耳鼻科へ行き、精密検査もやりました。先生たちは「こういう症状は、ストレスからきていることが多い」とおっしゃっていました。

そんな息子が学校へ行かなくなったのは、中1の11月の半ばでした。

次ページ学校へ行かなくなった理由とは
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