日本は山紫水明でとても清潔な国 平和で美しい原風景を、教養の源泉に

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私は、当オンラインの山折哲雄先生の対談シリーズの大ファンです。

少し前の「愛国心でも愛郷心でもない、日本人の教養」についての回で「人間はそれぞれ子供の頃の忘れがたい、自然と触れ合う原風景みたいなものが心の奥にある。そして危機的な状況に再会すると、そういう原風景がよみがえってきて、それに支えられて乗り越えられる」という趣旨のお言葉に接し、はたと腑に落ちたことがあり、何度も繰り返し拝読いたしました。

それで気づいたのですが、私にも原風景があり、それは幼い頃、河原や原っぱの自然の中で友だちと無邪気に戯れていた日々の光景でした。時折、思い出していたあの風景が、私にとっての原風景のよみがえりだったことを先生のお言葉で知ることができ、持っていた単なる石ころが宝石であったことを知ったときのような喜びがありました。

同時に、日本というせっかく恵まれた国で育ちながら、子供たちの多くは、塾通いなど早くから競争に追われ、自然と戯れる原風景を持つことが、すでに難しくなっていることの意味についても考えさせられます。

家庭での努力が一層要求されてくると思われますが、日本で育つ若い人たちの原風景が、この美しい自然と豊かな文化と、密接に結び付いたものでありますようにと願わずにはおれません。

故郷は遠きにありて思うもの

「愛国心でも愛郷心でもないもっと底にある原風景」ですが、結局のところ私の場合、それは自分自身を育んでくれた日本の中にあります。

困難を乗り越える力もいっぱいの喜びも(そして苦難も)、日本で得、経験し、今の私があります。私は日本で生まれた韓国人ですので、時に民意と離れているように思える政治的な対立で胸を痛める面も多々ありますが、結局は日韓双方の人々の英知と努力で、いい方向に向かって社会が進んでいくと信じて、微力ながら私も努力していくしかありません。

山紫水明で清潔で善良な人がいっぱいいて、世界に誇れる文化や風習がいっぱいあり、ある意味では平和で、食べ物が新鮮で豊富でおいしく、大切な人が大勢いて、私を育み私の原風景があるこの国が私の帰る所であることの幸運について、気づかずにはおれない旅を私は今、続けています。

そして、これからの日本の子供たちの原風景も、大人が作り出す争いに巻き込まれない、平和で美しい風景と環境でありますようにと、願わずにはいられないのです。故郷を遠くに離れて感じた徒然でした。

 

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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