配風角を広くすることで、顔に直接エアコンの風があたらず、肌や眼の乾燥を防ぐと同時に、車内全体に心地よい配風を行う。
また、Aピラー位置の変更により、前方視界の見切りがよくなっていたことも、気づいた点の1つだ。
LXで走り出してすぐに感じたのは、“軽快さ”だ。ホンダの資料では、運動性能の目指す方向として「質の高い軽快さ」という言葉を使っているが、たしかにそう感じる。「軽い」とか「軽々しい」とか、単なる「スッキリ感」というのではなく、軽快さの密度が濃い。
こうした感覚は、ベストセラーの軽自動車「N-BOX」や、惜しまれながら生産中止となった「S660」にも通じる、ホンダエンジニアリングの真骨頂だと思う。
技術的には、プラットフォームと駆動系を先代から踏襲しつつ、各所に改良を加えたもので、目新しいものはない。
しかし、コーナーリング時の走りの“つながり感”や加速、NVH(音・振動・路面からのつきあげ)の対策、パワートレインからの音などを様々な走行シーンで一体化させるきめ細やかな対応を行うなど、地道な努力を積み重ねている。
特に高速道路の合流時は、CVTのシフトアップ制御がまるでMTのようにダイレクトで、心地よかった。ホンダは、11代目シビックを「爽快シビック」と称するが、軽快さを含めたクルマ全体からの感じるのは、たしかに爽快感なのである。
6MTには「操る楽しさ」がプラス
次に、6MTを搭載するEXに乗り換えると、爽快さと軽快さは変わらず、そこに“操る楽しさ”が加わる。そのシフト操作は、ショートストークと高剛性化により“カチカチ”とか“コックリ”というよりも、スイスイとシフトできるイメージだ。
とはいえ、搭載エンジンは1.5リッターターボであるため、グイグイと前に押し出すような豪快さはない。あくまでも、走行シーンにより適宜なトルクを出すことで操縦安定性が高まり、さらにアクセルを踏み込めば、高回転域まですっきりとした伸び感を楽しむことを優先する。
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