ひろゆき氏「アマゾンが米国を変える」と語る訳 生鮮食品配送とクラウドサービスに見る狙い
これまで、海外の知見に接するには、どんな分野であれ、まず「言葉の壁」がありました。日本人の場合、専門分野の学習前に語学学習が必要で、そのためにずいぶん時間を費やさねばなりませんでした。
これからは、それをスキップして、いきなり専門分野の知見に触れていくことができるようになるでしょう。
同時翻訳機は誰のためのもの?
ここまで、実現に時間のかかる夢のような話をしてきたので、現実的な視点から見た自動翻訳技術の未来について触れておきましょう。よく語られる予測として、「世界の公用語は英語だから、ビジネスなどにおいても、ずっと英語圏の人が利を得てきた。しかし、同時翻訳技術が進歩して、どんな言語の人とも話せる世界になれば、英語圏以外の人がトクをする」というものがあります。
この予測は一見正しいのですが、実は技術が成熟するまではまったくの逆で、英語圏の人が一番得をします。翻訳機能の需要があるのは基本的に「どこかの言語を英語に変える」または、「英語をどこかの言語に変える」の2つです。たとえば、「日本語⇔インドネシア語」の翻訳などは、需要が低すぎて後回しにされます。
その結果、英語圏の人ほど、多くの言語に変換できる完璧なツールをいち早く手にできるのです。
実際、僕はフランス語を日本語に翻訳する機会がよくあるのですが、その際は、フランス語を一度英語に変換して、その英語を日本語に変換しています。なぜなら、一度英語を挟んで翻訳したほうがきれいな日本語訳になるからです。
最終的に完璧な自動翻訳が完成すれば、英語圏以外の人が得をするでしょう。しかし、10年から20年後というスパンで見ると、結局英語圏の人にとって使いやすいテクノロジーとなってしまうのです。
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