ひろゆき氏「アマゾンが米国を変える」と語る訳 生鮮食品配送とクラウドサービスに見る狙い
株式市場においては、大企業がさらに規模を大きくしていきやすい環境が整いすぎているのです。こうした仕組みが変わらない以上、アマゾンの成長を止めることはできません。
アマゾンは世界的なスケールで便利なサービスを提供してくれているので、「アマゾン経済圏」が広がることは悪いことではありません。しかし、あまりにも一つの企業に依存してしまうと、AWSの障害のようなトラブルが起こった際に、世界中が大混乱に陥る恐れがあります。また、アマゾンに押されてしまい、日本国内の産業が育たなくなるという問題も出てきます。
EUは、アマゾンをはじめとしたネット大手企業の寡占化を懸念し、新たな規制を次々設けています。
それだけ危機感を募らせているということです。一方、日本では規制の動きがまだほとんど見られません。このままアマゾンがありとあらゆる分野で影響力を強めていくことは間違いないでしょう。
GAFAを支える「自動翻訳技術」
アマゾンのようなグローバル企業が存在感を増していくにつれ、需要が高まるテクノロジーが「自動翻訳」です。
英語圏を越えて世界中にビジネスを広げていくために、この技術は必要不可欠です。実際、自動翻訳は日進月歩で進化しています。
たとえば、グーグルのワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」は、スマホに接続させて使うと、会話している相手の言葉を自動的に翻訳してくれる優れものです。ただし、あくまでグーグルは翻訳が本業ではありませんし、まだまだ不完全な部分があります。
一方で、自動翻訳を本業としてやっているところも出てきています。その一つが「DeepL」です。こちらは、グーグル翻訳と比較してかなり精度が高く、結構使えるものになっています。
こうしたツールがどんどん進化していけば、世界中の言葉が瞬時に翻訳される時代もすぐにやってくるでしょう。そして、そういう企業をグーグルのような大手が買収することで、YouTubeの画面にも精度の高い同時翻訳の字幕が流れるようになるかもしれません。
DeepLなども、今は一般向けに進化を遂げていますが、やがて、専門分野に特化したものも出てくるでしょう。
たとえば、「クレーム」という単語の持つ意味は、カスタマーサポート業界と知財業界では、まったく違います。そうした言葉を、すべて同列に訳してしまうとミスにつながります。
そのような混乱を避けるためにも、「医療系」「科学系」「流通系」「芸術系」......など、さまざまな分野に特化した翻訳技術が発達していく可能性が高いのです。
そうなれば、それぞれの専門家たちに役立つだけでなく、一般人が知的興味を持って学習することもできます。僕が、海外の医学専門書を読んでもいいわけです。
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