フロントも名札もない超個性派ホテルが見参

虎ノ門ヒルズに陣取った「アンダーズ 東京」

サン=テグジュペリ総支配人(撮影:大澤誠)

――アンダーズ東京のコンセプトを詳しく教えてください。

二つの側面があります。一つ目は「パーソナルスタイル」。本当にリラックスできて、自分が自宅にいるような、緊張しないでリラックスできる空間を作ること。非常にシンプルな雰囲気で、ゲストの方のスタイルを自然に表現していけるような、環境作りをしている。

そのために、いろいろなバリヤー(障壁)を排除した。物理的なもので言えば、レセプションのカウンターがなかったり、かっちりした制服や名札がなかったり。

日本がどういうものか、感じてもらう

二つ目は、英語で言うと「indigenes」(その土地に固有の)。その土地を大切にし、その土地を生かした、日本がどういうものかを、前面に感じていただくことを大事にしている。

日本人は細部までデザインに気を配る。伝統的な工芸品や美術もたくさんあるが、組香や和紙のアートを取り入れたり、障子とふすまの考え方が内装にも取り入れられていたりする。

もちろんデザインだけではない。日本文化の「窓」として、日本を感じていただくために、部屋の中に浴衣や和風のスリッパを置いたり、虎ノ門の老舗「きや」のあられを置いている。ロンドンでなく、東京のアンダーズを感じてもらいたい。

ラウンジには本当にカウンターがない(会社提供)

――こうしたアイデアは、ハイアットが行った顧客調査がきっかけでしたよね?

 ええ。以前話した2006年だったと思うが、ハイアットが富裕層などにリサーチをかけた。お客様が求めていたのは、ラグジュアリーと言っても現代的に洗練されていて、もっとリラックスできて、形式的なことが取り除かれ、心地よくいられることだった。

それは画一的なものでなく、その人その人が求める居心地の良さに合わせた、ブランド作りが必要だということ。これがアンダーズが生まれたきっかけだ。

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