オークラはなぜ今、建て替えを決めたのか 背中を押したのは東京五輪だけではなかった
長年の懸案だった本館の建て替えについに着手する。ホテルオークラ東京は5月23日、2015年8月末で現在の本館を閉館し、建て替え工事に入ると発表した。新しい本館は2019年春に開業予定。東京オリンピックに先駆けて1962年に開業したオークラは、50年余りを経て、再び2020年の東京オリンピックに向けて装いを新たに、日本のおもてなしを世界にアピールする。
総事業費は約1000億円。東京都港区の敷地内にある本館のみを建て替え、別館は営業を続ける。本館で人気のレストラン9店のうち、山里、久兵衛、桃花林など5店は別館に移転して営業を継続する。
2棟建ての高層ビルに
新ビルは高層化して2棟建てとなる。高さ85メートルの低層13階建ては基本的にホテルで、同195メートルの高層38階建ては高層23~38階がホテル、下層部分にオフィステナントが入居する。高層棟の最上階にはチャペルを設置する。247メートルの虎ノ門ヒルズに入居するアンダーズ東京の天空のチャペルには及ばないが、都内有数の高層結婚式場となる。
地下は6階建てで、2棟は地下でつながっている。地下には大宴会場を設け、より大型のイベントにも対応する。国内最大のホテルニューオータニの宴会場より広くなるとみられる。細かい設計はこれからだが、建築は大株主の大成建設、鹿島が主軸となるはずだ。
現在の本館の客室数は408。建て替え後は550室となり、約35%増える。客室面積も30~33平方メートル主体の現在から、48~56平方メートルへと広くなり、外資系ラグジュアリーホテルにも引けを取らなくなる。ホテルの敷地2万6200平方メートルの約半分は緑地として整備され、現在のオークラ公園より大きくなる。
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