アバターのリモート会議はどこまで現実的なのか スター・ウォーズ式「ホログラム」も技術開発進む

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マイクロソフトが開発したHoloLensは、3Dとして再現された物や人物を見るためのARゴーグルだ。

「holoportation(ホロポーテーション)」は、複数の3Dカメラで撮影した人物の3Dモデルをリアルタイムで転送する。 

情報を保存したあとで、HoloLensで再生することもできる。映像は縮小表示もできるので、例えばデスクの上で再生することも可能だ。

3次元の等身大ホログラムが会議室に投影されるので、あたかも会議室にいるようにコミュニケーションを行うことができる。

これは、映画「スター・ウォーズ」の中でジェダイテンプルの会議に用いられている方式だ。

私は、この方式に対しては、上に述べたような違和感は持たない。

仕事用には、ホログラム方式のほうが適しているのではないだろうか?

こうしたサービスは、日本でも開発されている。H2L社は、透過ホログラムでリモートワーカーのホログラム画像をオフィス内で映せる「HoloD(ホロディ)」の提供を開始した。

われわれの働き方は、大きく変わるだろう

アバター方式とホログラム方式は、それぞれの特徴を持っている。うまく使える対象と、そうでないものがある。

だから、 カジュアルな集まりや娯楽はアバター方式で、そして、講義や仕事のコミュニケーション(とくに交渉)はホログラムで、というすみ分けがなされていくのではないだろうか?

さまざまな技術がしのぎを削っているので、どれが広く受け入れられていくのか、現時点では見通しがつかない。

ただし、「移動しなくても、移動したのと同じように仕事ができる仕組み」が急速に開発されていることは間違いない。

遠隔地とのコミュニケーションは、さらに円滑になるだろう。

われわれの働き方は、こうした技術を活用することによって、この数年の間に大きく変わるだろう。

野口 悠紀雄 一橋大学名誉教授

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のぐち ゆきお / Yukio Noguchi

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社 )、『書くことについて』(角川新書)、『リープフロッグ』逆転勝ちの経済学(文春新書)など著書多数。

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