アバターのリモート会議はどこまで現実的なのか スター・ウォーズ式「ホログラム」も技術開発進む

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このような空間でシリアスな話ができるだろうか(写真:FacebookのVR機器「Oculus Quest 2」向け専用ソフト「Horizon Workrooms」のβ版 Oculusの公式ブログ)

仮想空間での音楽会というのならまだわかる。

しかし、これを学校の授業に使えるだろうか?

「漫画のような顔では、真面目な講義はできない」という教師が多いのではないかと私は思う。

あるいは、アバター同士で、ビジネスの会合を開くことができるだろうか?

真剣な交渉をするときに、コンピューターグラフィックスのキャラクターを相手にして、できるだろうか?

「現実の自分とは異なる表情や声を持つアバターを利用するために、意見が言いやすくなる」という意見もある。

そういう人もいるかもしれない。しかし、アバターに隠れて初めて出てくるような意見を、まともに受けてもいいのだろうか?

いまの子供たちは、メールやLINEやチャットで連絡するのではなく、ゲームの中のキャラクターになって連絡し合うのだという。

確かにそうかもしれない。しかし、それは子供の遊びだからできることではないだろうか?

フェイスブックが作ろうとする「メタバース」は、人間の本性に反するもののように思えてならない。

もっとはっきり言えば、人間の尊厳を踏みにじるものであるように思えてならない。

位置情報アプリなどを製作しているアメリカ・ナイアンティックのジョン・ハンケCEOは、メタバースを「ディストピアの悪夢」と批判した。

私も同意見だ。

ホログラム方式も

しかし、将来のリモート会議として開発されているのは、アバター方式のものだけではない。

ホログラムを用いるものもある。物体に光を当てた反射光に、同じ光源の光を別の角度から干渉させてできる干渉縞を記録したものをホログラムという。その情報を取り出す技術がホログラフィーだ。最近では、イメージセンサーでデジタル画像として記録し、コンピューターで元の画像を得る。

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