「授業中に騒ぐ」は大したことではないと申しましたが、これも誤解を招く言葉かもしれませんね。一部の本当に手が付けられないほど暴れている子供を除き、たいていは親が悩むほど深刻な問題ではない場合が多いという意味です。
普通、どのクラスにもこのような生徒が何人かいますが、社会人になってフタを開けてみますと、そんな人ほどバイタリティに溢れて仕事に頑張り、良い家庭人になっている場合が多いからです。そして決まって先生方も(本音かどうか知りませんが)、やんちゃだった子の方が記憶にも新しく、懐かしさもひとしおだと目を細められます。
幸い、ママの前では聞き分けがあるようですので、じっくり幸雄くんの言い分を聞いてから、なぜそれがダメなのかを、根気よく諭す必要がありますね。「迷惑をかけるから」だけではいけません。即効性を期待してママが悩むのも、賢明ではありません。
周囲に協力を求めましょう
そして私なら担任の先生と、保護者会で保護者の皆さんに、次のようにお願いします。
実は他人に迷惑をかけないように人一倍気を配った自分の育児法が、逆に子供を萎縮させてしまい、精神的に不安になっていると思われること。しばらくは、この面では、子供を追い詰めないように少し親の気配りを緩める努力をすること。ご迷惑をおかけすると思いますが、もし行き届かない点がありましたら子供に注意し、親の方にもご連絡ください、などなど。
なお、子供が学校で悪目立ちしたがるのは、往々にして愛情を受けたい気持ちの裏返しです。ほかの子供に乱暴に接するのも、精神的に満たされないことからの欲求不満が原因のこともあります。
単にその子がわがままだけで(ときに子供は幼少期に極端な攻撃性と残酷さを見せることもありまずが、そんな子が成人してとても優しく立派な青年になるケースもたくさんあります)、親にはそう落ち度はないこともあるので、一概に誰が悪い、と言える問題でもありません。ですが、往々にして“自分は愛されている”という自信を与え、同時に周囲に信頼されることの大切さをしっかりと教え諭すことが、子供の中で自尊心と協調性のバランスを生み出すように思います。
マインドコントロールで「私は生まれつきのお邪魔虫」
私の母・ミセス九条も、私をそのようにして育てました。「あの人には絶対、迷惑をかけてはいけないよ」、「この人のお荷物になるようなことをしてはいけないよ」などなど。
それで私は随分長い間、「私は生まれたときからお邪魔虫」と信じ込み、コンプレックスの塊でした。周囲の人の顔色を窺って生きるのが日常でした。
人間関係が広まるにつれ、私は驚きの連続でした。「世の中にはなんて、自信たっぷりに生きている人が多いのだろう」。今から考えると普通なのですが、当時の私は「この人の強気は、どこからくるのかしら?」、「いい人と思われなくともいいから、次に生まれてくるときはあんなに“ジコチュウ”に生きたい」と心底思ったのです。
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