あなたにも出来る! 社労士合格体験記(第10回)--職業訓練開始の前に韓国へ

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一方、厚生年金保険法の遺族厚生年金は生計維持関係や年齢要件を満たせば、夫・父母・孫・祖父母にも遺族の範囲が広がります。支給額は老齢厚生年金の4分の3に相当する額ですが、亡くなった方の被保険者期間が300月(25年)に満たない場合は、最低保証として300月と見なして計算されます(平均給与35万円として、年額50万~60万円程度)。

要件を満たせば、遺族基礎年金と遺族厚生年金は合わせて支給されます。

遺族基礎年金が支給されなくても

さらに、厚生年金には「中高齢寡婦加算」という頼りになる制度があります。これは子がいない、またはすでに大学生以上のため遺族基礎年金が支給されない妻に、40~65歳の期間限定で、遺族基礎年金の4分の3に相当する額が加算されるというものです。

ただし、夫の死亡時に40歳以上65歳未満であった、または子どもが高校を卒業して、遺族基礎年金が支給されなくなった等の要件を満たしている必要があります。

試験のポイントとしては、妻が65歳を迎えたとき、厚生年金部分については、下記3つのいずれかのうち、多い額を選択して受給できることです。

(1)そのまま遺族厚生年金を受給する。
(2)自分の老齢厚生年金に切り替える。
(3)遺族厚生年金の3分の2と自分の老齢厚生年金の2分の1を合算した額に切り替える。

なお、遺族厚生年金の3分の2ということは、亡くなった方の老齢厚生年金の2分の1(3/4×2/3)に相当しますので、数字に惑わされないでください。

次回はいよいよ、職業訓練が始まります。

【毎月第2・第4火曜日に掲載予定】

翠 洋(みす・ひろし)
1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。現在は、職業訓練講師として「人事労務基礎科」「基礎演習科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」。

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