「数字に踊らされる人」と「使いこなす人」の差 データにあたる前にまずは「想像」してみる
Aの状態(右肩上がり)は、スタッフの人数が増えれば、売り上げも増えるという状態です。人員がうまく配置されていて、無駄なく接客ができているとこのような状況になりそうです。もしくは、面積がそもそも広く、スタッフの人数が必要な店舗であれば、このような状況になる可能性があります。
Bの状態(右肩下がり)は、スタッフの人数が増えるほど売り上げが減っているという状態です。店舗が狭く人が増えるほど作業効率が悪くなるいといった場合にはこのようなことも発生するかもしれません。ただ、このような状況になる可能性はそう高くはないでしょう。
Cの状態(バラバラ)は、スタッフの人数と売り上げの間に関係性があまり見いだせないという状態です。売り上げに影響を与える可能性のある要素は、スタッフの人数だけとは限りません。したがって、Cのような状況になる可能性もありそうです。
数字から想像し、思考のきっかけを得る
さて、今考えたように、実際の数字を分析してみる前に、データがどのような状態になる可能性があるのかを考えるようにしましょう。
その理由は、2つあります。1つは、自由に発想できるからです。実際に集計して、いきなりグラフにするといったことをしてしまうと、集計した結果やグラフ化されたものに意味合いをつけようとすることから考えがスタートしてしまいます。集計結果やグラフに頭が支配されてしまう前に、自由に発想できるタイミングで、どういう可能性があるのかを考えるようにしましょう。
もう1つの理由は、分析をして見えてくる情報に対してより感度を高くして解釈することにつながるからです。人は事前に思考投入をするとその結果がどうなっているのかを純粋に知りたくなるものです。出てきた結果が予想どおりであれば、考えたとおりだったと印象に残ります。また、違っていた場合は、なぜ違うのだろうとさらなる思考のきっかけを得ることができます。
実際には、右肩上がり、右肩下がりのような直線的な関係にならない場合もあります。また、同じ右肩上がりと言ってもその上がり方はさまざまですが、データを見る前の想定としては、まずは、大きく先述の3つを想定しておくとよいでしょう。もしほかの想定が持てるのであれば、それはそれで問題ありません。
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