なぜ今の若手は「攻めの仕事」に戸惑うのか? 多くの会社で起きる”方針転換”と、現場の心境

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さて、話を戻します。中長期的な視点で仕事をすることを経営陣から求められたことがあるのは、40代以上だけである可能性が大。20代、30代の社員は不況の時代しか経験していないので、目の前の仕事をやることしか知らないのです。ですから、経営陣が発信するメッセージには、戸惑いを覚えることでしょう。ただ、経営陣、および40代以上にしてみれば

《会社が求めることが業績の回復で変わったのだな。では、自分の仕事ぶりも変えよう》

と自然なことに感じているかもしれません。当方も

バブル全盛:新しいことにドンドン挑戦しよう   (攻め)
バブル崩壊:まずは収益の確保を最優先       (守り)
2000年当初:将来価値の高い仕事に取り組もう(攻め)
リーマン後:選択と集中を決断する時期です   (守り)

と、会社のメッセージがコロコロ変わるのを経験してきました。そのうちに、環境の変化を受け入れて仕事に取り組む柔軟さが、身に付いていった気がします。

まずは、変化する経営陣のメッセージに困惑せず、受け入れて、前向きに取り組む姿勢を持ちましょう。今回であれば「方針変更は理解できない」と文句を言うより

「だったら、いい機会なので中長期的な視点で取り組むべき課題を経営陣に提言しよう」

くらいのアグレッシブさを持ってはどうでしょうか。いずれにしても、業績が回復して目先の仕事だけに追われている社員は、社内で重用されない可能性があります。時代の変化に合わせて、仕事の取り組み方を変える覚悟を持ってみてください。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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