さらに批判が集中したことで、13日にビデオを通じて、弁解と謝罪をしたものの、その内容が不十分ということで、14日には、「謝罪を撤回します」として、あらためて謝罪動画を公開。今度はスーツにネクタイに真剣な面持ちで、時折涙を見せ、反省の弁を述べました。
この3人の謝罪に共通するのは「①言い訳が先に立つ」「②謝罪が遅い、誠意ある謝罪になっていない」「③最終的に批判を受け、『仕方なく謝罪をした』という印象を与えてしまった」ことです。
「そういうつもりはなかった」「本当はこういう意味だった」「もし、傷つけてしまったのなら」など、責任を回避する、限定するような表現は謝罪においては絶対NGなのですが、そうした「アドバイスをする人が身近にいない」、もしくは「いても話を聞かない」のどちらかの状況だったのでしょう。
非を認めないことで「自分が強い」と錯覚しやすい
しかし、なぜ、ここまで謝罪を嫌がったのでしょうか。欧米では、あらゆるコミュニケーション技法が学術的に研究されているのですが、「謝罪」についての論文も数多くあります。
その中でも、「謝らない人(Non-apologizer)」の心理について、TEDトークでも有名なアメリカの心理学者のガイ・ウィンチ氏が詳細に研究しています。
ウィンチ氏いわく、「謝ることができない人は、自信が持てない、もしくは脆いエゴを持っている」と喝破しています。「謝らないことで強く見えるかもしれないが、実は弱いから謝らない」のだそうです。
「心理学的に、自分の非を認めるのは、非常に居心地の悪いもので、精神的苦痛をもたらす」わけで、きちんと謝り、責任を取るためには、「強い自己肯定感」を持っていなければなりません。
「謝らない人は、自己を守るための『防御システム』が働きやすく、間違っていることを認められない。また非を認めないことで、自分が強いと錯覚しやすい」というわけです。
オーストラリアのクィーンズランド大学のオキモト教授によれば、「謝罪を拒否すると、謝るときより、高い自己肯定感、パワーを感じる」のだそうです。
トランプ前大統領も頑なに謝罪を拒みましたが、謝罪については、ほかにも「面白い学説」があります。
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