ラウンドワンが米国で証明「リベンジ消費」の威力 感染者数増の日本でもいずれチャンスが来る?

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屋内型複合レジャー施設を展開するラウンドワン。大学生や20代などの若い世代は感染者数が減ったタイミングで来店するが、ファミリー層の回復は鈍ったままだ(撮影:尾形文繁)

夏休みシーズンも終盤を迎えつつあるが、コロナ感染者数が激増し、国内のレジャー・観光業界はまさに総崩れ状態。身近なレジャー施設も大打撃を受けている。

ボウリングやアミューズメント(ゲームセンター)、カラオケ、スポーツ施設など屋内型の複合レジャー施設を全国展開するラウンドワンの2021年4~6月期決算は、売上高が182億円(前年同期比3.2倍)、営業利益が35億円の赤字(前年同期は110億円の赤字)に終わった。

国内は苦戦が続くが…

99店舗を展開する主力の国内事業は38億円の赤字で、コロナ前の2019年4~6月期と比較した既存店売上高は44%減。ラウンドワンは4~6月期の既存店売上高を36%減と想定していたが、コロナの感染が広がり、それ以上の客数減となった。中でもカラオケはファミリー層から感染リスクがあると懸念され、65%減と苦戦が続く。

81億円の赤字を計上した前年同期に比べれば改善しているものの、地方自治体の要請に合わせて営業時間を短縮するなど、本来の実力を発揮できない状態が続く。7月の既存店売上高の速報値は24%減、さらに8月以降も緊急事態宣言の対象地域が次々に拡大するなど、大幅な制限が課された中での戦いとなる。

ラウンドワンは通期で61億円の営業黒字を見込んでいるが、杉野公彦社長は決算説明動画で「国内の第2四半期はこのままだと(会社計画に対する)下振れ要素になる」と語った。

一方で、国内と違うフェーズに達しているのが、46店舗を展開するアメリカだ。4~6月期の既存店売上高は2019年比で8%減と、コロナ前の水準が目前に迫る。前期に27億円の赤字に陥った営業利益も、5.8億円の黒字転換を果たしている。

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