転職&昇進「自分を高く売る人」のシンプルな発想 仕事力では差がつかない!「+α」でコレが必要
井上:幸せにできる人の数が多ければ、自然と見返りとしての報酬も大きくなります。キャリアを考えるうえで最も大切な「基準」です。
例えば医師は社会的なステイタスも高いし、収入も多い憧れの職業です。でも、日本の場合、人口の400人に1人はお医者さんとして働いています。希少性は決して高くないのです。中学校の1学年にだいたい1人いるイメージでしょうか。
医師が尊敬され、高収入なのは、それでも十分多くの人に必要とされているからです。自分を必要としてくれる人の数を最大化することで、自分への見返りも最大化することができるのです。これを伝えたかったというのが、私の執筆の最大のモチベーションです。
西村:なるほど。確かに「ナンバーワン」でも「オンリーワン」でも、主語は「自分」になっていますね。「相手」を主語に据えて考えるというのは、いかにもマーケター的で腹落ちしました。
独立起業するならどんな市場を選ぶべきか
西村:最後に、井上さんが今、仮にビジネスを始めるとしたら、どんな市場に参入しますか?
井上:西村さんはどうですか? AGA治療のサービス「ヘアテクト」を立ち上げられましたが、なぜその業界を選んだのでしょうか。
西村:私は、大前提として、自分自身や身近な人の「課題を解決したい」という思いから事業を立ち上げましたが、それと同時に「市場や業界として伸びしろがあるのか」も見るように意識しました。
井上:私もまったく同感です。あるベテランのIT系企業経営者に聞いたのですが、老練な経営者ほど、普通に儲かっているビジネスに参入するそうです。いま、みんながゲームで儲けているから、自分もそれを始める。
逆に経験の浅い経営者は、独自性にこだわるあまり「競合もいないけれど需要もない」サービスを考えがちなのだそうです。
これは、「金儲け主義」ということではありません。伸びていて、儲かっている企業がある市場なら、まだまだ必要としてくれる人がいるのだろう、だったら自分がその人たちが求めるものを提供しよう、という発想です。
もちろん伸びていればどこでもいいということではなく、その市場で自分が役に立てるかも重要です。ですから、それも含めて、やはり「どれだけ多くの人を幸せにできるか」が判断の基準になると思います。
西村:なるほど。この選び方は、これから「市場を選ぶ」若い人にとってだけでなく、独立しようと考えているベテランにとっても大いに参考になるのではないでしょうか。本日は、ありがとうございました。
井上:こちらこそ、ありがとうございました。
(構成:小関 敦之)
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