「会議より子の風呂優先」育休取得の男性語る変化 3人が語る育休経てガラッと変わった価値観

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――陶山さんはパートナーと休業期間を半分に分けたとのことですが、河合さんと海老沢さんは休業期間をどのようにして決めましたか。

海老沢:僕のケースは少しイレギュラーで。妻の妊娠が分かったのは、前職に在籍していた頃。当時ちょうど転職を考えていたこと、子どもが生まれた後は動きづらくなってしまうことを考えた結果、「転職するなら今しかないのでは」と思い、育休を取得する前提で転職活動をしていまして。前職と同等の待遇を整えると言って迎え入れてくれたのが今の会社なんです。

前職には育休期間中も6カ月間は収入を補償するという制度があり、現職でも同じように休業開始から最大180日間は同等の手取り金額を支給する制度を作ってくれました。そこで、その制度を活用し、6カ月しっかりお休みをいただくことにしたんです。

河合さん(写真:エンジニアtype編集部)

河合:僕の場合、育休を取ることは自然な流れでしたけど、休むことへの不安は大きかったんです。よくプロサッカー選手って「半年休んだらもう試合に出られない」と言うじゃないですか。それに近い感覚があって。

長く休めばもう自分がソフトウエアエンジニアとして通用しなくなるんじゃないかという恐怖があった。だから、休むと言っても、長くて3カ月かなと。そこで、ちょうど年末年始を迎える12月末まで休むことにしました。

――やっぱりキャリアが一時中断することへの不安はありましたか。

河合:相当不安でしたね。2カ月もパソコンに触らないなんてことはそれまでなかったので。

陶山:分かります。僕も自分が8カ月もプログラミングをしないなんて想像付きませんでした。それに加えて、うちは妻と入れ替わりで育休を取得する体制だったので、日中の子どもの面倒は全部自分が見なくちゃいけない。親だから当たり前のことなんですけど、幼い子どもの命を守らなきゃいけないことへの恐怖心は大きかったです。

海老沢:僕はチームメイトの男性が育休を取った経験があり、それを近くで見ていたので、半年くらい抜けても大丈夫だとは思っていました。どちらかと言うと、僕の場合は入社して2カ月で育休に入るので、それまでにしっかり社内で存在感を出さなくなちゃなという方に関心が向いていた気がします。

育休中は、Slackを見ないようにしていた

――育休を取得するにあたって、職場の理解はスムーズに得られましたか?共に働くチームメンバーのためにやったことがあれば教えてください。

河合:うちの場合は周りに育休を取った人たちがいるので、理解を得るのに苦労することはなかったです。

陶山:うちもそうですね。チームが協力してくれたので、その点ではすごく助かりました。

河合:ただ、だからと言って何もしなかったわけではなく。自分が持っているプロジェクトの対応先まとめを作ったり、「こういうことが起きたときはこんな対応をしています」というメモをゴリゴリ残しておくことはやっていました。

海老沢:分かります。僕も育休を意識しはじめた段階から、ドキュメントにまとめることはやっていました。

陶山:あと気を付けていたのが、僕しか知らない情報をできる限りなくすこと。ペアプログラミングやモブプログラミングを採用して、誰かと常に同期できている状態を保つように心掛けていました。

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