「会議より子の風呂優先」育休取得の男性語る変化

3人が語る育休経てガラッと変わった価値観

河合:分かります。ソフトウエアと違い過ぎて困る(笑)。プログラムを書いたらちゃんと動いてほしい! みたいな。

海老沢:しかも何が起きているのかわからない。エラーログ出せって話ですよね(笑)

河合:エラーログ、アラートしかないですからね(笑)

陶山:しかもそのアラートが夜中に鳴ったりする(笑)

河合:でも対処方法が分からなくて。

陶山:オムツ見て大丈夫。お腹も空いていない。さて、何ですかみたいな(笑)

河合:メトリックスをダッシュボードに書いておいてくれないと。

海老沢:効率的に対応できないって思っちゃいますよね(笑)

陶山:あと仕事の進め方という意味では、チームで成果を出すことを意識するようになりました。育休前は全部自分でやりたかったし、自分がやることに価値があるんだという驕りがあった。でも今は自分がいなくても大丈夫という状態をいつでもつくっておくことに価値を置いている。そこはドラスティックに意識が変わったところです。

一度立ち止まる選択をとれる社会であってほしい

――今後もしまた育休を取る機会があったら取りたいですか?

河合:私は取りたいですね。やっぱり子どもはかわいいし、成長を見られるのはすごく貴重。次に取るとしたら今度は半年は取りたいです。

――初めて育休を取ったときは不安があったとおっしゃっていました。それでもまた取りたいということは、その不安は解消されたということでしょうか。

河合:そうかもしれないですね。勉強ができるだろうかとか、スムーズに復帰できるだろうかとか、そういった不安は実際にやってみたらなんとかなった。陶山さんがおっしゃっていましたが、やっぱり知らないことが怖いんですよね。1回目が何とかなったんだから2回目も何とかなるだろうくらいの気持ちで今はいます。

海老沢:自分たちの観測している範囲が比較的先進的な企業が多いからかもしれませんが、世の中全体も寛容になっているようには感じます。特にエンジニア界隈は男性の育休取得を推奨している会社も多いですし、育休取得への不安は減ってきているのかなと。

海老沢さん(写真:エンジニアtype編集部)

陶山:僕も社会全体が寛容になっている空気は感じています。子育てに限らず、まだ知らない自分の一面を探しに行きたいとか、いろんな理由で一度立ち止まってみるのもいいと思うんですよね。むしろそういう選択がとれる社会であるといいなと思います。

海老沢:それに、僕らの仕事は半年キャリアが止まったからと言って、なくなるような仕事ではない。たとえキャリアは止まっても、その間、自分の人生や家族の人生は進んでいる。今はそちらに軸を置く時期だと捉えて、家庭のことに全力投球して、また環境が整ったら復帰して、仕事も頑張る。キャリアに関しては短距離走的に見るのではなく、中長距離走的な視点に立って考える方がいいのかなと思っています。

ただ、最後に一つだけ伝えておきたいのが、育休を取ることが必ずしも正義みたいな感じになるのもちょっと違うのかなと。各家庭や個人で考え方も事情も異なる。大事なのは、それぞれが決めたことを尊重し、それを貫ける社会や会社をつくること。そんなふうに僕は考えています。

取材・文/横川良明 編集/河西ことみ(編集部)

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