「送客の数を集めるだけではなく、質の高い送客ができるかが重要です。たとえばインセンティブ付きのアフィリエイトであれば、数は集められるかもしれませんがまったく転職を検討していないユーザーも送客してしまうことがあります。転職EXはさまざまな企業からのデータベース提供を受けていることにより、ページ数が膨大になり、結果的にロングテールのSEOに強く、3語や4語掛け合わせというニッチワードでの流入が多数を占めます。『転職EX』というブランド指名での流入はあまりありません」
たとえば「渋谷 アパレル 週休2日 社割あり」のような超ニッチワード。検索クエリこそ少ないが、具体的な検索条件で流入するユーザーは転職意欲が高いといえ、結果的に応募や採用のコンバージョンレート(CVR)が高いという仮説が立てられる。ニッチワードでの流入=意欲が高い良質な顕在顧客という説明が成り立つ。
じげんの各サイトを平均するとUU単価で25円の売り上げとなっている(注:ユーザーからの課金ではなく法人からの送客課金の合算から平均していると思われる)。
ロングテールで送客効果を上げていき、上場前に各データベース提供企業への送客課金単価を徐々に上げていくことに成功した。最初に低単価で始めており、送客ユーザー数が増加すると価格交渉力が増し、課金単価が上がっていくビジネスモデルだ。
事業は多領域、アフリカなど多地域で展開
じげんは転職EXをはじめ、この種のアグリゲーションサイトを7市場で18サイト展開している。アグリゲーションサイト自体の市場規模を算出するとどうなるだろうか。平尾氏の話をもとに筆者の仮説も混ぜると、このようなロジックとなる。
(注:ネット広告は上記の数字に含まれていない)
各媒体による広告出稿比率:約20%
求人媒体が出稿する広告費:約800億円
(注:上記にはTVCMなどの非ネット広告も含まれる)
ネット広告費率:約30%
求人媒体が出稿するネット広告費:約240億円
(注:上記にはリスティングやSEOが含まれる)
転職EXのようなアグリゲーションメディアへの広告費:50億~100億円程度か?
求人市場に限った場合がこれくらいの数値。ほかにも住まいなど複数領域を展開しており、その合算値が既存のメディアプラットフォーム事業のアップサイドといえる。2014年度は売り上げ27億円、営業利益11億円を予想。市場のアップサイドはまだまだあり、既存事業だけでも伸びしろは十分期待できる。
ジゲノミクスひとつ目は「プラットフォーム事業であること」。事業名どおりライフメディアプラットフォーム事業はプラットフォーム性があるがゆえに、アグリゲーションで唯一無二の立ち位置を確保できれば収益を伸ばしやすい。
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