「米国経済は案外堅調であり、米FRBの金融政策の利上げ開始に向けていずれは動く」、とうい大きな流れが、ドル円方向を決定づける構図が改めて認識され始めている。
「追加金融緩和」というストーリー復活も
実際に、米国経済が底堅さを反映して、7月末のFOMCでは金融政策の判断は変わらずサプライズこそなかったが、経済指標の改善をうけてFRBの景気判断を前向きな方向に変わっていることが示された。こうしたFRBの経済判断の変更が、出口政策を見据えてFRBによる市場とのコミュニケーションが変化するとの思惑をもたらし、それが予想外に強いドル高要因になる可能性がある。
一方、日本については、8月13日(水)の4~6月GDP発表を控えて、増税後の落ち込みと、その後しっかりと回復に転じるかについて、投資家の疑念が高まる可能性がある。日本ではこれまでの円安による押し上げ効果が剥落して、秋口にかけては消費者物価の上昇率が低下する。こうした中で、景気停滞への思惑が重なれば、「もはや追加金融緩和は当面ない」と思われた日本銀行が、再び金融緩和に踏み出すのではないかという思惑が浮上する可能性がある。
日米両国の金融政策の方向性の格差が、ドル高円安をもたらすというのは、昨年末からのコンセンサスだった。ただ、それはFRBとECBの金融政策の方向の違いで、ユーロ安が進むという格好で起きた。もし、忘れられかけているこのストーリーがドル円相場でよみがえれば、ドル円相場も「暑い夏」を迎えるだろう。
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