NHK幹部が語った「31歳記者過労死」非公表の裏側 なぜ4年もの間、公表されなかったのか

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2013年7月、NHKの記者がこの世を去った。佐戸未和さん、享年31。彼女が音信不通になったのは参院選の取材を終えた3日後。不審に思い駆けつけてきた婚約者によって自宅で発見された。
あれから8年。「真実が知りたい」と願う遺族の問いかけは実を結ぶのか。5回にわけて公開する1時間のドキュメンタリー映画『未和 NHK記者の死が問いかけるもの』連載の4回目。
連載1回目:31歳NHK女性記者「過労死」8年苦しむ遺族の証言
連載2回目:過労死「31歳NHK記者」を追いつめた選挙取材の闇
連載3回目:31歳NHK女性記者が過労死「空白の2日間」の謎
ドキュメンタリー映画『未和 NHK記者の死が問いかけるもの』第4回

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口を閉ざす職員たち

2013年、31歳でこの世を去ったNHK記者の佐戸未和さん。葬儀にはNHK関係者だけで600人もの人が集まった。労災認定後、遺族は法事のたびに娘の死が過労死認定されたことを伝えた。

NHKは、わが国の過労死報道をリードしてきた。彼女の足跡とともに、過労死の悲劇を発信する機会は幾度もあったことだろう。

しかし実際には死から4年、1532日もの間、情報は一部のNHK職員の中で管理され、外部公表されることはなかった。なぜそうなったのか。局内で、いったいどんなやりとりが交わされていたのだろうか。

佐戸記者の死について、第一発見者の婚約者を通じて、NHKに情報が伝わったのはその日の夜の10時過ぎ。第一報を受けた報道局の記者たちに衝撃が走ったが、その事実関係について調べる記者がいた、という話は耳にしない。翌日職場に行ったある記者はこう話す。

「『なんで亡くなったの?』とか、『亡くなったときの様子は?』と聞くのがはばかられる雰囲気でした。同僚に聞いても『いやいや、それはちょっと。いろいろ、責任問題とか……』と言い返されてしまって。幹部が記者全員を集めて報告するようなこともありませんでした。組合の集会でも話題になりませんでした」

半年ほど後、組合の役員はNHKのある管理職にこう耳打ちされたという。

「両親は労災申請をしているようだ。非常にデリケートな問題だから、組合も君もあまり触らないほうがいいよ」

次ページ当時、NHKの籾井会長は…
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