31歳NHK女性記者が過労死「空白の2日間」の謎

「NHKが本当に守りたいのって、そこなの?」

2013年7月にこの世を去ったNHK首都圏放送センター記者、佐戸未和さん(享年31)。翌年、渋谷労基署が過労死と認定し、NHKは臨検を受けた。
なぜ彼女は死んだのか。8年たった今も遺族には納得できないことがある。
5回に分けて公開する1時間のドキュメンタリー映画『未和 NHK記者の死が問いかけるもの』連載の3回目。
連載1回目:31歳NHK女性記者「過労死」8年苦しむ遺族の証言
連載2回目:過労死「31歳NHK記者」を追いつめた選挙取材の闇
ドキュメンタリー映画『未和 NHK記者の死が問いかけるもの』第3回

(外部配信先では動画を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンラインのサイト内でご覧ください)

報道記者としての、未和さんの軌跡

2005年、NHKに入局した佐戸未和記者の初任地は鹿児島だった。その後2010年東京に異動し、8年以上報道記者として現場を飛び回った。彼女が担当した数々のニュースや番組はNHKの映像資料室に保管されている。

陽気で、誰からも慕われた仲間を失ったとき、同僚たちはどんな心境だったろうか。NHK関係者から遺族に届けられた彼女の仕事を記録したDVDの束を目にしたとき、同じNHKで働いている筆者は多くのことを感じた。

DVDに焼き付けられたニュース項目は60以上。その他、特集番組から最後の仕事になった開票速報番組までそろっている。彼女の姿や足跡を探してはコピーし、探してはコピーし……。そんな作業に没頭して、同僚たちは消しがたい虚無感を埋めようとしていたのではないだろうか。

筆者は遺族から遺品であるDVDを託され、今回の映画『未和』を作った。その中に、「取材 佐戸未和」とクレジットされた長編番組を挿入している。2008年に放送されたNHKの番組「ドキュメント にっぽんの現場 『ただいま』を待ち続けて 拉致から30年・市川家の秋」だ。

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