NHK幹部が語った「31歳記者過労死」非公表の裏側 なぜ4年もの間、公表されなかったのか

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公表の遅れについて、NHK上層部の認識はどうだったのか。今年、その一端を知る手がかりが見つかった。

2017年の過労死公表直後に記録された音声データ。そこにはNHKの幹部が大勢の職員を前に、佐戸記者の過労死公表の経緯について語った肉声が収録されている。入手ルートを明かさないことを条件に、筆者の元に届けられた。音声はこの記事冒頭の映像の中でも紹介している。

代理人弁護士から聞いていたと語るNHK

その音声によると、NHKは遺族の代理人弁護士から伝えられる情報に沿ってずっと対応していたという。

「何度かにわたって代理人から、『表にはしないでほしい。慎重にあつかってほしい』と言われております」

「隠そうとしていたとか、そういうことは本当にないんです。それは本当にない」

語調を強め、やや早口になるNHK幹部。一方、「私は、『佐戸さん(のご両親)は記者会見をする予定はない』とNHKに伝えただけだ」と話す代理人弁護士。何が真相なのだろうか。

                       (連載第5回に続く)

尾崎 孝史 映像制作者、写真家

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おざき たかし / Takashi Ozaki

NHKでドキュメンタリー番組の映像制作に携わる。映画『未和 NHK記者の死が問いかけるもの』(Canal+)を監督。

著書に『汐凪を捜して 原発の町 大熊の3・11』(かもがわ出版)。『未和 NHK記者はなぜ過労死したのか』(岩波書店)。写真集『SEALDs untitled stories 未来へつなぐ27の物語』(Canal+)で日隅一雄賞奨励賞、JRP年度賞。

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