ゼンショー、吉野家、マクドナルドを分析する 消費税アップ後の外食産業の行方は?

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確かに牛丼カテゴリーは、既存店ベースで若干落ち込みましたが、連結の売上高は増えているのです。ただ、連結の営業利益は大幅に落ち込んでいますから、事業全体で売上原価が嵩んでしまったと考えられます。

貸借対照表から中長期的な安全性を示す自己資本比率(純資産÷資産)を計算しますと、27.7%となります。それほど低い水準ではありませんから、安全性には問題ないでしょう。

吉野家はヒット商品「牛すき鍋膳」が業績を押し上げた

続いて、吉野家HDの平成27年2月期 第1四半期決算(2014年3〜5月)を見ていきます。

損益計算書(7ページ参照)から業績を調べますと、売上高は前年同期より4.2%増の443億円。売上原価は2.6%増の162億円、売上総利益は5.1%増の280億円となりました。これに販管費が微減したため、営業利益は、前の期は7億円の赤字だったのが、この期は8億円の黒字に転じました。

売上原価は増えていますが、売上原価率は37.3%から36.7%まで微減し、さらに販管費率も64.4%から61.2%まで下げています。収益力の改善が、増益に繋がったということです。

もう少し詳しく見てみましょう。事業ごとの収益をまとめたセグメント情報(9ページ参照)によると、業績を高めたのは「国内吉野家」です。セグメント利益は、前の期は4億円の赤字を計上していましたが、この期は8億円の黒字になっています。国内吉野家は、売上高全体の52.0%を占める主力事業ですから、この利益増が全体の業績を押し上げたと言えます。特に、ヒット商品「牛すき鍋膳」の売り上げが、前期から引き続き好調だったのです。

ほかのセグメントも、全て増収増益となっています。吉野家傘下の外食チェーンは、総じて好業績だったのです。吉野家は、増税の影響はそれほど受けていないと言えるのではないでしょうか。

安全性はどうでしょうか。貸借対照表から自己資本比率を計算しますと、45.4%となります。かなり高い水準ですので、安全性には全く問題はありません。

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