ゼンショー、吉野家、マクドナルドを分析する

消費税アップ後の外食産業の行方は?

各社の最新の決算を見てみましょう。まずは、ゼンショーHDの平成26年3月期決算(2013年4月〜2014年3月)です。

牛丼事業の人手不足で利益を落としたゼンショー

ゼンショーを分析する上で注意したいのは、主力の牛丼事業が2〜4月にかけて、人手不足によって123店舗が一時閉店した影響です。牛丼事業のライバルである吉野家が「牛すき鍋膳」でヒットしたことを受け、すき家も「牛すき鍋定食」を発売しました。ただ、これは非常に手間のかかるメニューでしたので、現場で働く店員に多大な負荷がかかったこともあり、人員不足から一時閉店を余儀なくされたのです。

損益計算書(12ページ参照)から業績を調べますと、売上高は前の期より9.8%増の4683億円。ところが、売上原価が23.5%増、販売費及び一般管理費(販管費)も5.5%増とコストが大幅に増えてしまったため、営業利益は44.8%減の81億円となりました。

もう少し詳しく調べてみましょう。売上高に占める売上原価の割合を示す「売上原価率(売上原価÷売上高)」は、前の期は37.1%、この期は40.9%ですから、やはり売上原価は増えています。円安による原材料価格の上昇や、人手不足による労務費の増加が原因だと思われます。

一方、売上高に占める販管費の割合を示す「販管費率(販管費÷売上高)」は、59.4%から57.4%まで下がっています。売上原価が増えてしまった分、企業努力によって経費を削減しようとした様子が窺えます。

ゼンショーは、すき家のほかにも、「なか卯」「ココス」「はま寿司」などの外食事業を手広く行っています。

各カテゴリーの売上高を見てみましょう(上表)。注目の牛丼カテゴリーは、前の期より1.0%増となりましたが、既存店売上高を見ると3.3%減となっています。既存店の落ち込みを新規出店でカバーしたのです。その他のカテゴリーは、売上高、既存店売上高ともに伸びています。

次ページ続いて吉野家を見ていこう
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