JR九州とJR北海道を分析する

上場は妥当か? 列車トラブルはなぜ続くのか?

 豪華観光列車「ななつ星in九州」で話題のJR九州が、2016年度までに上場しようとしています。これまでは、赤字のローカル線を抱える鉄道事業が足を引っ張り、経営安定基金の運用益に頼る経営を続けてきました。しかし、不動産賃貸などの事業が利益を伸ばすことで、収益力が高まってきたのです。ここで一人前になろうとするのはいいことかもしれませんが、私は、このまま上場するのは無理があるのではないかと思っています。
もう一つ取りあげるのは、JR北海道。相変わらず列車事故や不祥事が続いており、2014年3月期決算は営業赤字が拡大しました。今回は、これら2社の分析と、JR九州の上場について、私の意見を述べたいと思います。
「ななつ星in九州」は2013年10月に運行開始、大人気。だがJR九州の鉄道事業は厳しい(撮影:梅谷秀司)

鉄道は苦戦、不動産や流通外食で稼ぐJR九州

JR九州は、2013年10月から、豪華観光列車「ななつ星in九州」の運行を始めました。新しい企画を打ち出して、旅客を取り込もうとしているのです。

2014年3月期決算の損益計算書(10ページ参照)を見ますと、売上高にあたる営業収益は、前の期より3.5%増の3548億円でした。営業費は3.1%増の3457億円。売上高から営業費を差し引いた営業利益は、19.7%増の90億円となり、大幅に伸びました。

何が業績を押し上げたのでしょうか。事業ごとの収益をまとめたセグメント情報(同14ページ)を見ますと、運輸サービス以外はすべて増収増益となっています。特に伸びているのは駅ビル不動産業で、営業利益は前の期より4.8%増の167億円となりました。

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