「全部知っている単語」なのに英語が読めないワケ 単語さえわかれば英語は読めるという人の誤解

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英語の記事を読んでいると、スッキリしない感覚に襲われることがありませんか?(写真:テンパーチャー/PIXTA)
インターネットなどで英語の記事を読んでいると、なんとなくスッキリしない感覚に襲われることがあります。わからない単語は検索したし、きちんと頭から終わりまで読んだはずなのに――。その理由は、もしかしたら「文の構造」を捉えられていないからかもしれません。『英語の読み方』が話題の英語学者、北村一真さんが具体例をつかって解説します。(※本稿は『英語の読み方』の本文を再構成したものです)

英文法の意義について

「英文を読むにあたって最も重要なものは何か」と問われた場合、まず英単語が思い浮かぶ人は多いと思います。

確かに、語彙力は重要です。1つの文の中に見たこともない単語が3つも4つも出てくる状態が続けば、文章を読み解いていくのが苦痛になってきます。

しかし、単語さえわかれば内容を理解できるかと言うと、そうではありません。自信を持って英文の内容がわかった、と言えるようになるためには、文の骨格、つまり、文法的な構造もしっかりと見えていなければなりません。

これは大学受験レベルの英語をしっかりとやり込んだ人には当然のことのように聞こえるかもしれませんが、昨今の文法軽視の風潮もあり、必ずしも大前提となっていない状況なのではないかと懸念しています。

確認のために少し英文を読んでみましょう。以下に挙げる2つの英文は特別に複雑なものではありません。ニュースやインタビュー、映画のセリフ、SNS の投稿などでもよく出くわすレベルのもので、これくらいの英文をサラッと理解できないと記事や小説を読んだりするのは言うまでもなく、日常レベルのリスニングにも大きな支障をきたすと思って下さい。

① What I think is important is if this restaurant will become a hit among young people.
② When I opened the door, I was so shocked that he was there that I was utterly speechless.
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