「全部知っている単語」なのに英語が読めないワケ 単語さえわかれば英語は読めるという人の誤解

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難しい単語は1つもありません。高校生が知っていてもおかしくない表現ばかりです。

でも、皆さんはどちらの英文もまったくひっかからずにスラスラと読めたでしょうか。

「あれ? 何がどうしたという話だろう」「なんでここに動詞があるの」などと思ってしまい、その後、少し考えてみても自信を持って解釈できなかったという人は、文法の基礎が身に付いていない可能性が高いです。そのままだと、単語を頑張って覚えても、英文を読んでいて感じる「あれ?」という感覚から抜け出せないかもしれません。

これらの英文でスッキリしない感覚が残るとしたら、おそらく「文の構造が明確に見えていない」のではないでしょうか。以下で確認していきます。

複雑な構造をどう捉えるか

まずは①(What I think is important is if this restaurant will become a hit among young people.)の英文から。

「何が」に当たる主語(S)と、「どうである」に当たる述語(動詞V+補語C)の確定からスタートします。難しい単語は使われていませんので、骨格がわかるかどうかがポイントです。

importantまで読んだ時点でWhat I think「私が考えること」が主語で、is important「重要である」が述語ではないだろうか、という考えが浮かぶかもしれません。しかし、その後にさらに、is if……という形が続くことで問題が生じることになります。ここで「えっ」となったという人もいるのではないでしょうか。

〔What I think〕(S?) is(V?)important.(C?)……is if(何これ?)this restaurant will become a hit among young people.

文の骨格を見誤らないためには、この時点で解釈を修正したいところです。

What I think is important「私が重要だと考えること」までが主語であると判断できることが重要になりますが、それにはこのタイプの構造、いわゆる連鎖関係詞節についての英文法の知識が不可欠です。

連鎖関係詞節というのは、関係詞が節の中で果たす役割が、そこに含まれるさらに小さい節(多くは思考伝達系の動詞や形容詞の後に続くthat節)の一部になっているような構造のことを言います。

やや抽象的すぎる説明になっていると思いますので、具体例を使って、普通の関係詞節と連鎖関係詞節の違いを見てみましょう。

次ページ普通の関係詞節と連鎖関係詞節
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