はあちゅう「自分ゴトの解決が社会のためになる」 ネオヒューマンは現代の生きるアート、希望だ

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たとえば、ALSだと宣告された夜、ピーターさんはこのように決意します。

ALSは私に死んでほしいらしい。
だが、断る。
同様に、私は生ける屍のような形で“延命”することも拒否する。(中略)
これは、病気や事故、老化によって生じた極度の身体障害を、最先端のテクノロジーで解決しようという挑戦だ。
自由な思考を持っているにもかかわらず、不自由な肉体に囚われてしまったすべての人々に関わる話だ。
そして、もっと強く、もっと立派な、今とは違う自分になりたいと願ったことのある、すべてのティーンエイジャーと大人たちのための戦いなのだ。
私たちが目指すのは、“人間である”ことの定義を書き換えることだ。(中略)
今夜は、とっておきのシャンパンをフランシスと開けることにしよう。生き残り策など考えない。そう決めたことを、2人で祝うのだ。
これからは、私のような人々が本当の意味で繁栄するための方法を探求するのだ……。

(『NEO HUMAN ネオ・ヒューマン――究極の自由を得る未来』より)

「すごい希望の人」ですよね。この改革の物語は、普遍的な、誰もが力をもらえるストーリーだと思います。

「自分ゴト」を解決することが、社会のためになる

私自身は、夫(AV男優のしみけん氏)の職業や、事実婚であることに関する偏見や差別心を見たときの気持ちと重なるものがありました。

はあちゅう/ブロガー・作家。広告会社、ベンチャー企業勤務を経てフリーランスに。「人生全部コンテンツ」を掲げて、日常をさまざまな視点・方法で切り取った発信を続ける。2018年に事実婚を発表、2019年に第1子を出産。著書に『仮想人生』『通りすがりのあなた』『じゃない、幸せ。』『子供がずっと欲しかった』など。インスタグラム・ツイッター:@ha_chu、アメブロ(新米ママ部門):はあちゅうのお買い物日記(写真提供:筆者)

「自分ゴト」を解決することは、社会のためになると、私は思っています。私が普段困っていること、これが欲しいなと感じたときは、世の中にも、大半ではなくとも必ず同じことを感じている人がいるものだと考えています。

自分は世界に1人でいるわけではありません。だからこそ、「自分ゴト」の解決が、人々の選択肢を増やすことにもなり、社会につながっていくと思うのです。

けれども、「自分ゴト」は、どうしても「個人のワガママ」として集約されてしまうことがあります。それでも、行動することによって、少しずつ理解してくれる人が増えたり、自分自身の生きる場所が変わっていったりするのです。

ですから、ピーターさんの姿には、希望をもらいました。ピーターさんも、ALSという「自分ゴト」を解決することで、社会に貢献していこうとしているからです。

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