それでは、目下最高値圏にある株価の行方も含めて、米国経済はどのくらい好調を維持するのだろうか。相場的には、大雑把な経験則からいうと、引き締めに転じて直ぐではなく、3回くらい利上げされた後くらいがヤバイ(これは「危ない」の意味)!
これは、個人的な予想だが、FRBによる資産買い入れプログラムが終わるのが今秋、それから半年~1年後くらいからFF金利を上げる形を模索する、というのが、ありそうな流れだろう。
その場合、米国経済は好調でも、相場的には、一区切りを迎える(典型的には15%〜20%程度下落する)可能性がある。
日本株の相場がそこまでもう一段の上昇を演じて持ちこたえているとしても、その時点ではインフレ目標2%が達成されている可能性があり、GPIFの買い玉も底が見えているだろう。また、消費税率の10%への引き上げが決まっているとすると、引き上げ目前の不安心理もある。そこに、米国株がひと区切りを迎えるなら、日本株にとっては相当に危険な環境を迎えることになると言えるだろう。
今後、GPIFの買い出動で株価を上げるような場面があれば、さらに、消費税率10%への引き上げが決まれば、今年の年末から来春くらいにかけて、株式投資家は「何割か手仕舞う」くらいの利食い場面を模索するのがいいのではないか。特に、GPIFでの買い上げのような需給だけの汚い手を使った上昇相場からは、さっさと降りても、そう惜しいものではない。
われわれの新刊本をあらためて眺めつつ、近い将来を予想すると、そんなイメージだ。米国の好影響も考えると当面は強気でいいし、相場の一般論として最後の仕上げに入るひと振りはヤバい(=すごい)のだが、部分的に手仕舞う準備もして次に備えようというのが、「今」だ。
尚、中国はどのくらい「ヤバイ」(=危ない)のか、日本経済にとってコケると本当に困る新興国はどこなのか、個人のマネー生活はどうしたらいいのか、などのあれこれについては、是非、われわれの本を読んでみて欲しい。
もっとも、著者3人の性格からいっても、本全体のトーンは明るいはずだ。われわれは、これからビジネスにも投資にも、ヤバい(すごい)チャンスが大いにあると思っている。
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