つまり、日本株は、これからもうひと上がりして、上昇相場の仕上げに向かうというのが大まかな相場観だ。
しかし、日経平均株価は1万5000円をキープしているものの、年初を下回っている。また追加金融緩和は、なかなか行われず、景気はおおむね好調であっても消費税増税はそれなりに足を引っ張っている。善し悪しは別として、相場的にはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用計画待ちといった、じれったくて、少々情けない状況になっている。
もうひと相場あるのか、ひと相場あるとすると、それがどう終わるのか、あるいは、ひと相場来るような陽気ではないのか、今は、あらためて条件を点検してみるべき時期に差し掛かっているように思う。
日本株はどう「ヤバい」のか?
さて、本欄連載陣の3人(吉崎さん、ぐっちーさん、筆者)で鼎談した新刊書籍「ヤバい日本経済」(東洋経済新報社)が、いよいよ7月31日(木)には書店に並ぶ予定だ。
今回、われわれは、読者のために、日本経済を世界の経済との関連も見ながら、丁寧に(!)点検してみた。キャラクターと専門分野が異なる3人なのだが、みな案外真面目なので、期待して読んで欲しい。
本の結論をここで明かしてしまうのは、これから読まれる読者に申し訳ないし、そもそも読み手の感じ方によってちがった結論に読めるような作りの本なのだが、大まかな結論は、本のタイトル通りだ。
筆者が、日頃話をしている学生達は、感嘆も形容も全て「ヤバい」としか言わないような若者よりも、もう少し賢いが、彼らが使う「ヤバい」の主な意味は、「すごい」に近い意味であって、「危ない」ではない。
ところで、ネットで「ヤバい」あるいは「ヤバイ」を書名として検索すると、前者は「すごい」の意味、後者は「危ない」の意味に使われることが多い。世間では、今後、この表記の使い分けが定着するのかも知れない。
詳しくは、本を読んで頂きたいが、目次から分かる最大のポイントをお伝えすると、第2章のタイトルは「オバマがこけても アメリカ経済は最強になる」となっている。
われわれは(特に、吉崎さん、ぐっちーさんは米国通だ)オバマ大統領を全く買っていないが、当面の米国経済に対してはかなり高評価だ。結論から言うと、日本も含めて、世界的に、この効果は大きい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら