「地道な業務」を続けて10年目で突然注目された訳 女子アナの私が「鬼教官」と呼ばれるまでの経緯

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豊田アナが日テレから「鬼教官キャラ」を託されたことに対する思いを紹介します(写真は日本テレビタワー、ユフォト/PIXTA)
日本テレビ放送網勤続30年、アナウンサー一筋で、最近は新人アナウンサーを鍛える「鬼教官」としても視聴者から人気を集める豊田順子氏。かつて女子アナウンサーは30歳を過ぎたら新規レギュラーが減るのは当たり前だったと言いますが、こうした中、豊田氏がフリーという道を選ばず、会社員を続けたのはなぜでしょうか。今回は、同氏の初著書『辞めない選択』から、豊田氏が日テレから「鬼教官キャラ」を託されたことに対する思いを紹介します。

新人研修10年目で「〜笑ってコラえて」に

新人研修・人材育成を担当するようになり、私は「自分がやるべきことを見つけた」と前向きになりましたが、業務としては地道なものであり、その後、社内で大きく注目されることもなく10年が過ぎました。

そして、ようやく自分なりにこの業務の奥深さをわかってきたなと思えた頃、上司から唐突に「『1億人の大質問⁉ 笑ってコラえて!』で新人研修にカメラ入れて、放送するから」と言われたのです。「やっていいか?」でも「やってくれるか?」でもなく、さらに「よろしくね」でもなく、いきなりボンと下りてくるこの感じ、わが社らしい「業務命令」でした。

そうと決まってからの動きは早い。テレビで研修のリアルさをどのくらいの塩梅で見せるのがいいかを考えて、ディレクター陣にこと細かく説明しました。やさしいだけではなく、それなりの厳しさを示す必要があること。研修の意図を汲んだ内容にしてほしいこと。新人たちを守るために、極端な編集は避けてほしいこと。

ずっと孤独に新人研修を担当し、10年のあいだ試行錯誤を繰り返してきた私にはそれなりの理論武装ができている状態になっていました。

番組は視聴者の共感を得られる内容でした。日本テレビはきちんと新人を育てる気があるのか? どんな新人研修をやっているのか?という世間やマスコミの目に対して日本テレビの姿勢を見せることができました。

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