さらに、太平洋の深海底に、中国などにある陸上鉱山より2~5倍の濃度があるレアアース泥が、10~70mの厚さで分布していることが発見された。2013年には、南鳥島のEEZ(排他的経済水域)内の海底で、中国鉱山の約20倍である7000ppmの超高濃度レアアース泥が発見された。レアアース含有量が5000ppm以上のレアアース泥であれば、現在の陸上鉱山のレアアースと同程度の価格を実現できると言われる。
データ安全法でデータの持ち出しを禁じる
今年の6月10日、中国全国人民代表大会で「データ安全法」が成立した。9月1日に施行される。
データ収集などの行為が「中国の国家安全を損ねる」と判断された場合には、国外での行為に対しても法的責任を追及される。
アメリカのEVメーカー、テスラは5月25日、これへの対応措置として中国市場で販売した車両から収集した情報を保存するデータセンターを中国国内に設置したと発表した。今後も、中国でデータセンターを増やし、中国市場で販売したすべての車両から発生するデータを中国内で保存する。
中国では2017 年に、「サイバーセキュリティー法」(インターネット安全法)が施行されている。
また、個人情報の国外持ち出し制限を含む「個人情報保護法」も全人代常務委で審議中だ。
これと「データ安全法」を合わせて、データ管理の体制が整備され、輸出規制がデータにも適用されることになる。
個人情報保護法では、個人データに関して中国に差別的な措置を取った国への対抗措置も盛り込んだ。
トランプ前大統領が、中国発の動画投稿アプリ「TikTok」やスマートフォンの対話アプリ「微信」(ウィーチャット)を標的としたことに対抗し、2021年に施行する可能性が高い。
こうして、米中対立は、単なる貿易摩擦から、ハイテク分野での覇権争いに進んでいる。
しかし、中国の輸出管理法が特殊というわけではない。
日本をはじめとする主要国では、輸出管理のための法体系をすでに整備している。
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