40歳で引退サッカー中村憲剛が説く「勝利の哲学」 いくつもの逆境を乗り越えた彼が見た世界
大好きなサッカーを一度辞めた
周りに比べると成長の速度が遅く、小学6年生で身長は140cmにも満たなかった少年時代。自らが思い描くようなプレーができなかった中村さんは、中学時代に入ると、そのイライラを、チームメイトや監督、環境などに責任転嫁し、自暴自棄に陥った。
中学時代、一度はクラブチームへ入団したものの、半年後にはサッカーから離れることに。それでもしばらくすると、やはり「自分にはサッカーしかない」とフィールドに戻る決意を固め、そこからは脇目も振らずにサッカーに打ち込んでいったという。
「当時は本当にしんどくて、人生最大の挫折と言ってもいいくらい。でも今になって、あの時大好きなサッカーを一度辞めたことで、サッカーへの情熱が増し、どんなにつらくてもやり続けるという考え方を持つことができました。
そこからですね、うまくいかない時に『自分の長所と短所』、『得意なことと不得意なこと』をちゃんと分析するようになったのは。試合に出るためにはどうすればいいのか、そのためには普段の練習で何をやればいいのかを常に意識するようになりました」