40歳で引退サッカー中村憲剛が説く「勝利の哲学」 いくつもの逆境を乗り越えた彼が見た世界
「今はまだ進路を決めていないのですが、いろいろなことができるようにはなりたいですね。選手の時もそうでしたが、『これしかできない』というのはチームにとっても自分にとっても良くないと思うので。選択肢を持てるような準備をしたいと考えています」
常に「自分の価値」を念頭に行動してきた中村さん。今回の取材でも「20代のビジネスパーソンに、自分が伝えられることは何か」と、真剣に考えてくれていた。
「僕が若い人たちに伝えたいことは、とにかく“やってみる”ことの大切さです。やる、やらないで悩んだら、とりあえずやってみること。僕もそうやって20代を過ごしてきました。
何にでも手をつけるから無駄も多かったし、とりあえず勢いで突っ走ってきたところもあります。でもいろいろなことにチャレンジした結果、30代になって自分のプレーを整理することができたし、効率も良くなりました。その結果、選手として寿命も延びたのかな、と」
「やるべきことを決めたら、周りは気にしない」
とにかく目の前のことをやる。それはスポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、どちらにおいても重要なことだろう。さらに中村さんは「やるべきことを決めたら、周りは気にしないこと」が大切だと続ける。
「例えば、10人が見て10人が『え?』と疑問視しても、自分が良ければそれでいいんですよ。もちろん、あまりにも評価が得られない場合は、見直しする必要性もありますけどね。でも変にプライドを持つより、良い意味で自分の軸を持つことの方が大事です」
「それに、他人との比較はまったく意味がないです。自分が属する組織の中でいかに有益な存在であるかと考えた時に、他人との比較っていらないんですよね。他人がどれくらいやったとか、どんな評価を受けたか、とか。僕も学生時代に周りのことを気にして“自分はダメだ”と思っていたタイプでしたけど……。ある時を境に気にしなくなりました。
でも結局、周りがどうであっても最終的に責任を取るのは自分だし、誰も助けてはくれません。それに、自分にフォーカスして目標に向けてまい進している人ほど、その努力が見えるから自然と周りが応援してくれるものだと思います。
これって、サッカー選手に限った話ではないはず。きっとどんな仕事だって本質は同じだと思うんですよね。何かで結果を出したいなら、目標を決め、自分にフォーカスしながらそこに向かって全力で生きていくといいと思いますよ」
(取材・文/モリエミサキ 撮影/竹井俊晴)
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