政府本腰も「キャッシュレス途上国」日本の課題

日本におけるキャッシュレス決済比率は3割弱

(写真:iStock/visualspace)
コロナ禍により、テレワークやオンライン授業、オンライン診療など、社会のデジタル化が一気に加速したが、同時に行政サービスなどのデジタル化の遅れが露わになった。そこで菅政権は、政策の最優先課題としてデジタル化を強力に推進する方針を示している。
本連載『暮らしの「脱アナログ」最前線』では、デジタル化の加速によって私たちの暮らしや働き方がどのように変わるか、未来はどのような姿になっているのかを考えていく。

過去1~2年で「キャッシュレス決済」は急拡大

近年、「キャッシュレス決済」を推進しようと、政府は大規模な支援策を講じている。

2020年6月末まで実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業」においては、全国の中小・小規模事業者115万社*1が参加し、9ヶ月間の事業期間中にキャッシュレス決済額に応じたポイント等が、決済事業者を通じて消費者に還元された。

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また、キャッシュレス・ポイント還元事業終了後の2020年9月に開始されたマイナポイント事業においても、約120社(2020年11月末時点*2)のキャッシュレス決済事業者が参画し、キャッシュレス手段でのチャージ・決済に対して25%(上限5,000円分)のポイント付与が行われている。

これらの支援策が起爆剤となり、日本におけるキャッシュレス決済の比率は2019年で26.8%*3、2020年上期ではおよそ28.5%程度*4まで拡大したと推計される。

出所:一般社団法人 日本クレジット協会「クレジット関連統計」、日本銀行「決済動向」、一般社団法人 キャッシュレス推進協議会「コード決済利用動向調査」、内閣府「国民経済計算」よりNRI推計

内訳を見ると、これまでと同様クレジットカードがキャッシュレス決済の中心(24.7%)であるが、PayPayやメルペイに代表される、高いポイント還元率や店舗での導入コストの低さを特徴とするQRコード決済の比率が高まりつつあるのが直近の状況といえる。

野村総合研究所は、これらの政策によるキャッシュレス決済の浸透が起点となり、消費者の購買行動や店舗運営の効率化のみならず、国・地方自治体の施策も大きく変わると予測する。

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