「声の大きな上司」に空気を支配されない方法とは 米海軍で屈指の元潜水艦艦長が教える忖度対策
指を使う投票もある(これも心理的安全性が十分な場合に限る)。要は、0〜5本の指を使って投票するのだ。1本から5本を使って、というやり方もあるが、0本(指を立てない)は実にわかりやすいので、0も忘れずに加えてもらいたい。それにより、肯定・否定にかかわらず、いちばん強い感情が可視化される。
指というシンプルなツールを使った投票は、次の2つの条件が満たされていれば活用できる。ひとつは、長い議論が必要となる大きな決断でないこと。そしてもうひとつは、各自が自らの意見、アイデア、考えを心おきなく表明できるだけの心理的安全性が確保されていることだ。
たとえば、建設現場でのミーティング、朝の打ち合わせ、手術に向けた事前打ち合わせ、設備を稼働させる前などに手早く確認したいときに有効だ。このときの問いかけもやはり、二択(「それは安全か?」や「準備はいいか?」)ではなく、程度を問う質問(「どの程度安全か?」や「準備はどの程度できている?」)にすべきだ。
0〜5本の指を使う投票は、グループの気持ちを手早く確認したいとき(「休憩をとる用意はどの程度できている?」)、青ワークから赤ワークへ切り替える前の最終確認(「準備はどの程度できている?」)に使われることが多い。
会議を始めるときの問いかけ方の例
また、会議や打ち合わせを行うときは、次のような問いかけから始めるようにするのも良いのではないかと思う。
「全員の考えをまとめる前に、みなさんはどんな数字であるべきだと思っていますか? 各自、手元にあるカードに書いてください」
「議論を始める前に、みんながどう思っているか知りたい。製品の初出荷はいつにするべきだと思うか、最適だと思う日付をミーティングアプリに各自が入力してほしい」
「おかしいと思うことをできるだけ口にしやすくしたいと思っています。この提案を支持する気持ちはどの程度ありますか? 手元にあるカードの数字で表してください」
「この計画は以下の重要な前提にもとづいています。計画を進める前に、この前提は正しいとどの程度思うか教えてください」
「みなさんがやるべきだと私が思うことを伝える前に、私がここにいなかったら、みなさんは何をするか教えてください」
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