テレビを見ないが過半数「男20代と女10代」の衝撃 NHK調査でわかった地上波放送の終わりの始まり
以下の表は連結の予想だが、テレビ朝日は、売り上げは他局よりはるかに強気な反面、利益では1社のみ減益と予想。逆にフジは売り上げ減、利益増の予想だ。
予想に新型コロナの影響をどれだけ見込むかで売り上げも利益も大きく変わるとはいえ、各局の強気予想の背景には、昨年度のスポット収入の急回復があるとみるのが妥当だろう。そこで、過去3年間の四半期ごとの前年比での推移をみてみたい。
上記グラフで見ると明らかにわかるように、2020年度第1四半期は異常ともいえる落ち込み。景気が悪くなると真っ先に削られるのが広告費と言われているが、どの局もその影響をもろに受けた。
映画公開の延期や、観光など人の移動制限で出るはずだったさまざまなテレビ広告が出なくなった。その穴埋めで昨年の5〜6月に、どの局にもACジャパンの広告が頻繁に流されたのを覚えている方もいるだろう。
ところがスポットは第3四半期から急回復し、どの局も下半期は前年比でプラスになっている。前年度の第3四半期がかなり落ち込んだ反動もあるが、この回復基調は第4四半期も、そして今年度も続くと見込まれている。
ではこれで、テレビ局の広告収入は底を打ったのか。答えは否だ。
リーマンショックを上回る厳しさ
テレビのCM収入のこの15年間の変遷をみれば、楽観などできる状況ではないことがわかる。
上記を見てもわかるとおり、リーマンショックを上回る厳しさはデータ上でも明らかである。日本テレビ以外の4局はリーマンショック時のレベルを下回っている。一強の日本テレビも含め全局が急減。テレビ朝日、TBS、フジテレビはほぼ同じ低い水準で並んでいる。とくにフジテレビは15年前から半減するというとてつもない厳しさだ。
各局同様に衰退しているように見えるが、視聴率、CM収入、番組制作費のこの10年間の「変化」を比べると、それぞれの局の特性が見えてくる。以下に表示するグラフは、2011年度のプライム帯年度平均視聴率、CM収入、番組制作費を「1」としてそれが10年間にどのように変遷したのかを見たもの。
あくまでも局ごとに変化をみるためのもので、数字を比べるものではない。
日本テレビは、視聴率は徐々に下がっているがCM収入はかなり増えている。注目点は、収入は増えていても制作費は増やしていないところ。コントロールが非常に利いていて、経営的には理想的といえる。これが日本テレビの強みともいえる。
テレビ朝日は、2017年度までは視聴率は下がっているのに制作費は高いレベルのまま。CM収入も同様なので、コントロールはされている。しかし2018年度からは視聴率が上がっているにもかかわらず、収入は下がっている。ここにテレビ朝日の問題が隠れている。
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