ビジネス会議に起業家予備軍が集う理由 グロービス経営大学院の田久保善彦研究科長に聞く
――イベントを開催するきっかけは何だったのか。
グロービス経営大学院学長の堀(義人)が卒業生や在校生と話し合い、「質の高いビジネスイベントをやろうよ」というノリで始まったのがきっかけだった。昔は大学院自体の規模が小さかったので、1回目の参加者は70~80人程度。今回行ったセッションの一部屋分にも満たないような規模だったが、参加者は年々増え続けている。
――ベンチャーブームと言えるほど大型の資金調達や新規上場が増えている中、関連したイベントも増えている。それらとの違いは。
セッションの内容だけ切り出せば、東京でやっているカンファレンスと変わらないかもしれない。ただ、そこに来ている人たちの問題意識がほかのイベントと比べて大きく違う。参加費は1人5万円で、交通費、宿泊費を別途負担する必要があるにもかかわらず、この規模の人数が集まっていることからもわかる。参加者の“熱量”が、ほかのイベントにはない特徴だ。
私自身、さまざまなカンファレンスに参加しているが、何かそれを模倣しようと思うことはいっさいない。
面白くないと感じるとしたら、勉強が浅いから
――あすか会議の具体的なカリキュラムは?
開催日の前日に学生のおよそ半分が会場の京都に入り、今回は何を学ぶべきかというディスカッションを始める。翌朝10時から、卒業生や在校生で目立ったメンバーを1人呼び、10人くらいで「リーダーズディスカッション」を1時間20分行う。そして、午後からは本会議が始まる。夕食後に1時間半行われる「ナイトセッション・ナイトキャップ」では、学生が本会議の登壇者を10人くらいで囲んで話しを聞く。
「イベントがつまらなかった」と言う参加者がいたならば、「面白くなかったのは、お前の勉強が浅かったからだろう」と議論し合う雰囲気がある。著名な経営者(今年はカルビー会長兼CEOの松本晃氏、ロート製薬会長兼CEOの山田邦雄氏など)や政治家が登壇してくれるのも、参加者の熱量が伝わっているからだろう。
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