ビジネス会議に起業家予備軍が集う理由 グロービス経営大学院の田久保善彦研究科長に聞く
――学生は会議に参加することで何を得られるのか。
大きな意味で言えば刺激だ。1つはイベントに登壇してくれる、最先端で活躍しているビジネスリーダーからの刺激。もうひとつは、在校生、卒業生同士の刺激だ。
――グロービスには、経営大学院のほかにベンチャー投資を行う会社もある。目指す方向は?
コンセプトとしては、「ヒト・カネ・チエ」の構築だ。グループ全体として、良い社会を作るためのインフラをこの3つと定義している。ヒトは人材育成で、グロービス経営大学院とグロービスで行っている企業研修事業がある。カネは(ベンチャー投資の)キャピタル事業。チエはグロービスで行っている出版事業と、(グロービス経営大学院の堀学長が代表理事を務める)一般社団法人G1サミットで開催している「G1ベンチャー」などのイベント事業がある。これらを、オンラインの経営情報誌や動画サイトを通じて発信している。
年に1回、1月に同窓会を開催
――在校生や卒業生同士のネットワークは、ビジネス会議以外の場所でどのように形成されているのか。
年に1回、1月に必ず各キャンパスで同窓会を行い、テレビ中継で全校の様子をつなぐ。また、卒業5年後には「リユニオン」という集まりをキャンパスで開催し、卒業生からその時最先端のテーマを扱ったレクチャーを行ってもらう。各校ごとにもイベントがある。加えて、「アントレプレナーズクラブ」という起業家から学びを得るクラブ活動では、(ウェディングプロデュース等の)ポジティブドリームパーソンズ社長の杉元崇将さんがトップを務め、起業をめざす学生の相談に乗っている。公式行事以外にも、山のように交流の機会は存在する。
――卒業生で目立った活躍をしている人は。
(オフィス家具・文具等の)プラス執行役員の伊藤羊一さん(2011年修了、現グロービス経営大学院教員)、ポジティブドリームパーソンズ社長の杉元さん、(サンドイッチチェーンの)サブウェイ取締役営業統括本部長の庵原リサさん。そして、東北復興の顔になっている 農業生産法人GRAのCEOである岩佐大輝さん、(屋上庭園の)innovation社長の岡崎富夢さんなどがいる。すべて今回のイベントに参加しても らっている。こうした世の中を変えている卒業生を増やしていきたい。
卒業生の数に応じてネットワークも広がるので、グロービス経営大学院では規模も追求している。日本にあるビジネススクールの定員は1学年で50~70人のところが多いが、グロービス経営大学院は2013年度に英語プログラムも含めて371名の卒業生を輩出した。これは東京、大阪など全国に5拠点あることが大きいだろう。
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