ショート動画「快手」赤字から抜け出せない背景

ユーザー数は前年に比べ着実に増加している

快手科技は2021年1~3月期の決算を発表した(写真は同社ウェブサイトより)

中国のショート動画アプリ大手の快手科技(クワイショウ・テクノロジー)は5月24日に、2021年1~3月期の決算を発表した。

売上高は前年同期比36.6%増の170億1900万元(約2881億円)だったが、調整後の純損益は49億1800万元(約833億円)の赤字で、2020年10~12月期の7億400万元(約119億円)よりも赤字額が大幅に拡大した。これを受け、5月25日の快手の株価は終値が205.6香港ドル(約2880円)となり、前日の終値より11.5%下落した。

目下、快手の赤字の最大の要因となっているのが、膨大なマーケティング費用だ。快手はブランドの認知度向上のためのプロモーションを強化しており、2021年1~3月期は前年同期比44.02%増の116億6000万元(約1974億円)ものマーケティング費用を投入した。これは同四半期の総支出額の68.5%を占めている。

一方でユーザー数などのデータを見ると、2021年3月末時点で、快手の1日当たりアクティブユーザー数は2億9530万人に達し、前年比16.63%増加した。 また、ユーザーのアプリの利用時間は2020年12月末時点の1日当たり89.9分から99.3分へと伸びた。新たなコンテンツクリエーターの増加数は毎月平均1000万人を超えている。

1~3月期の売り上げ構成を見ると、広告の売上高がライブストリーミングを上回り最大の収入源となった。広告を中心とするオンラインマーケティングサービスの売上高は、前年同期比2.6倍の85億5800万元(約1449億円)となり、総売上高の過半を占めた。広告の売上高がライブストリーミングを上回るのは、2四半期連続になる。また、広告主の数は前年同期の2倍以上になった。

ライブストリーミング事業は成長が鈍化

ライブストリーミング業界全体が急成長期をすでに過ぎたことに伴い、快手のライブストリーミング事業も成長率が鈍化している。2021年1~3月期の同事業の売上高は前年同期比19.5%減の72億5000万元(約1227億円)だった。快手は決算報告書の中で「(新型コロナウイルス流行期の)ステイホームの影響により、2020年1~3月期に有料ユーザーの数が大きく増えた反動で、2021年1~3月期は有料ユーザー数が減少し、売上高の低下につながった」と説明している。

本記事は「財新」の提供記事です

他方で生中継のネット動画による実演販売である、ライブコマースは快手の各事業のなかで最も著しい成長を見せた。2021年1~3月期にライブコマースを通じて販売された商品の総額(流通総額)は1185億5900万元(約2兆70億円)に達し、2020年1~3月期のほぼ3倍になった。これにより、ライブコマースを含む「その他の収入」は、前年同期比6.8倍の12億1100万元(約205億円)を記録した。ただ、快手のライブコマース事業の売り上げは配信者からの手数料を収入源としているものの、流通総額(GMV)に占める比率は1.02%にすぎない。

(財新記者:関聡)
※原文の配信は5月25日

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