アンテナ、「スマホの絶対メディア」への挑戦 群雄割拠のニュースアプリ市場<その3>

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マネタイズ(収益化)と今後の事業展開についてはどのように考えているのだろうか。

マネタイズについては、既にネイティブアド(独自広告)の販売を始めている。動画自動再生+詳細記事の「ブランドムービー」というユニークな広告商品がある。動画広告が今後盛り上がりを見せそうな中で、マクロミルでの付き合いもあったからか、既にアンテナ広告出稿実績にはかなりの数のナショナルクライアントが顔を並べる。

「スマホは今最も見られているディスプレイ。しかし、ブランドの視点では広告を打てるプラットフォームがまだない。その位置をアンテナで取りたい。ネット上のCGMコンテンツではなく、既存メディアの質の高いコンテンツを露出させることもやってきたい。例えば、アンテナで今晩放送があるドラマが面白いという情報を見たユーザーが、そのまま番組を視聴する、あるいは録画する。という行動もあるわけで、既存のマスメディア体験を拡張するようなことをしたい。既存のメディアとの共存共栄を第一に考えています」。

動画広告の掲載を開始

記事体のネイティブアドのみならず、TVCMの代替になり得る動画広告も広告主は出稿できる。こうした広告のみならず、2014年4月からはECサービス「アンテナショッピング」も始めている。デザイン性が高いアンテナはタブレットとも相性が良いだろうし、ユーザーが毎日アンテナを開くという体験が習慣化しており、接触時間が長ければ、アンテナ上で買い物をする機会も十分ある。

47都道府県の地域情報を掲載する「ヨンナナch.」があるのも、広告ビジネスを考えてのことだ。「自宅で新聞を購読する人が減っているが、チラシのニーズはある。地域に密着した広告をここに掲載していきたい」。これは、古巣であるリクルート的な手堅いビジネスモデルといえるだろう。

広告とコマース。この2点がマネタイズの中心だ。しかし、杉本氏はアンテナ立ち上げからしばらくは、マネタイズは一切考えるな。本当にいいサービスを作ってくれ、と社内で言い続けたという。「最初からマネタイズを考えても、イマイチなアイデアしか出てこないことが経験上多くて(笑)。とにかく良いサービスを作ることに集中しました」。

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