市販の蒸し麺で超簡単「最高の焼きそば」の作り方 特別な材料は必要なし!ソースの使い方に秘密

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ただ、「焼そばソース」はおいしくできるのですが、コストが気になります。それならと、家にある「中濃ソース」でも作ってみましたが、酸味がやや強く、香ばしさのない仕上がりに。

その理由は原材料にありました。焼きそば専用ソースと中濃ソースの大きな違いは醤油の有無。ソースは果物とスパイスを煮込み、それを粉砕したものに酢を加えた調味料で、本来醤油は入っていませんが、「焼そばソース」にはローストされた醤油調味料が入っていました。鉄板で香ばしく炒めていく焼きそばの味の決め手は実はソースではなく、醤油だったのです。

オイスターエキスやホタテエキスなどが入った複雑なうま味が特徴(筆者撮影)

ソースを3回に分けて使うのが特徴

これで光明が見えてきました。

『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ブルドックの中濃ソースをベースに醤油(今回は使いませんが、可能であれば、さらにオイスターソースなどのうま味を含んだ調味料)を混ぜれば、おいしい焼きそばが作れるはず。そうすれば家に「焼そばソース」がないときにも対応できますし、コスト的にも安上がり。

そうして考えたのが最初に紹介したレシピです。中濃ソースに醤油と砂糖を混ぜて即席の焼きそばソースを作り、麺はよく加熱して水分を飛ばすことでモチモチの仕上がりにします。

もう1つの工夫は具材を炒める工程と麺を炒める工程を分けたこと。業務用の鉄板は面積が広く、水分を効率的に飛ばせるのに比べ、家庭のフライパンは小さいので、水っぽい仕上がりになりがち。そこで分けて加熱してそれぞれ火を通し、そのリスクを回避します。

具材を炒める用のソース、麺を炒める用のソース、最後にかけるソース……とソースを3回に分けて使うのも特徴です(最後にかけるソースは甘めのものがあうようです)。現時点で僕が考える(3袋100円程度の蒸し麺を使った)最高の焼きそばの作り方はこんな感じ。

たかが焼きそば、されど焼きそば。

樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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