ワクチン効果ではなく「自然なエピカーブ」?
――今、イギリスやイスラエルの接種率が高く、それによって感染者数が減ったという報道が多いですが、森田さんは前回のインタビューで違う可能性を指摘されていました。
はい。データをよく見る必要があります。札幌医科大学医学部のサイトでは感染者数の推移と接種率の推移を同時に見ることができ、参考になると思います。部分接種は1回、完全接種は2回ですが、例えば、英国は部分接種率が50%を超えており、イスラエルは60%を超えています。接種率が上昇するとともに、感染者数がどーんと減っているように見えます。
ところが、ワクチンとはまったく関係のない昨年4~6月の英国の感染の推移を見てみましょう。カーブの形状は似ているのではないでしょうか。同じように急激に増えて、急激に減っている。昨年夏から秋のイスラエルの感染のカーブも今年のカーブと似ています。つまり、単なる自然のエピカーブかもしれないのです。
――確かにそうですね。イギリスは1回の接種率が20%を超えた程度でそんなに急激に減るのかな、という感じもします。今、エピカーブのお話が出ました。感染が増えてくるとそのまま拡大を続けるという恐れを抱きがちですが、実際は、際限なく増えるわけではない……。
そうです。感染症って自然に増減を繰り返します。それを繰り返しながら、収束していきます。
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