若者たちが「環境問題」の常識を変えていく背景 「地球温暖化対策」で私たちが取り組めること
江守:実際の裁判の判決は別として、常識を変えていくための取り組みにはなっていると思いますね。
海外では「国の温暖化対策が不十分だ」と、国を相手に裁判を起こして勝ったという事例も出てきてます。昔の常識ならば「違法なことをしているわけではないんだから勝ち目はないだろう」という考えになったと思いますが、昨今の気候変動の重要性を鑑みて、原告側の言い分が認められる判決も出ている。これも、常識が変化してきたからだと思っています。
日本でも、いまは禁煙や分煙が当たり前になりましたが、昔は「嫌煙権訴訟」を起こした人たちもいました。最初はあまり相手にされていなかったと思いますが、そういう人たちの取り組みが、常識を変える原動力になったと思います。
石炭火力訴訟も、いまは勝てなくても、そういう声を上げ続けて圧力をかけ続けるという試みには、ものすごく意味があると思っています。
何かが変わればいいと思うことは大切だ
安部:禁煙・分煙の問題にしても環境問題にしても、スーパースターが突然現れて常識を変えるのではなくて、あらゆるところでいろんな人たちがトライして、失敗したり成功したりしていく。
多くの人が小さなアクションを積み重ねていって、あと一押しでシステムが変わるというときに、誰かがゴールまでボールを運んでいくということですよね。
社会を大きく変えたいと思って動くとき、一人ひとりのインパクトはやっぱり微力で、途方もないことだとも思います。ですが、それでも「なにか変わったらいいな」と考えながら動き続けることは、すごく大事だと思います。
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