インド感染爆発、主犯は「変異株」という誤解 低いワクチン接種率と対策の緩みが招いた惨事

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インドでは、ワクチン接種を完了した人が発症したという事例が多くの医師によって報告されている。既往症などがまったくない子どもでも、ひどい下痢、酸血症(アシドーシス)、血圧低下といった深刻な症状に陥るケースが実際に見られるという。

ムンバイの小児病院、SRCCチルドレンズ・ホスピタルで救急救命部門の責任者をしているスヌ・ウダニ医師によれば、「昨年とはまったく異なる光景だ」。

科学者らは、学校の再開がここ何カ月か進んだことも、若者の感染増加につながった可能性があるとみている。

ニューデリーの主流はイギリス型?

インドの変異株は「二重変異株」と呼ばれることもあるが、この呼び方は誤解されやすい。というのは、変異は2つ以上起きているからだ。

この変異株が二重変異株と呼ばれるようになったのは、同変異株の3つの亜種の1つに、制御の難しい別の変異株に見られる遺伝子変異が2つ含まれているためだ。1つは、今年初めにカリフォルニア州で猛威を振るった感染力の強い変異株に見られる変異。そして、もう1つは南アフリカで最初に検出され、ワクチンがやや効きにくくなったと考えられている変異株と同様の変異だ。

インドで流行している複数の変異株について、前出のバレット氏はこう話す。「昨年よりも感染力の高い変異株が存在している。事態が悪化するスピードは本当に速い。国として迅速に対処しなければ、厳しい状況はあっという間に極限状態へと深刻化するおそれがある」。

科学者たちによれば、インドで感染の主流になっている変異株は地域によって異なるようだ。例えば、西部のマハラシュトラ州中心部のサンプルからはB.1.617が大量に検出されている。

これに対し、ニューデリーではB.1.1.7による感染が急速に増えているとインド国立疾病管理センターのスジート・シン所長は話す。3月末に検査したサンプルではB.1.1.7の割合が半数にまで拡大していた。わずか2週間前の28%から大幅な増加だ。同所長は、ニューデリーではB.1.617も流行していると付け加える。

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