日本人が「いつまでも英語を話せない」悲しい原因 英語学習で陥りがちな「4つの誤解」

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従来の英語教材には自発的アウトプットが圧倒的に足りません。例えば、英会話教室などのテキストで、

「テキストのAの単語をBの単語に置き換えましょう」
「主語をCからDに入れ替えましょう」
「普通の文を疑問文にしてみましょう」

というのは自発的アウトプットではありません。テキストの答えに合わせて自分が話しているだけです。実際のところ、英会話には答えはありません。センテンスを覚えるということは、言わされていることなので、それでは話せるようになりません。

reading、listening、writingという分け方も日本人が英語を話せない理由のひとつ。これらはバラバラではなく、ひとつの流れなのです。

人間の脳というのは、自分が発言できることは、ほかの誰かが同じことを言っても必ず理解できるようになっています。自分で「I like dogs.」と言えれば、ネイティブが「I like dogs.」と発したときに聞き取れるようになります。

英語学習の実験でも明らかになっていることがあります。人は、知らない言葉を初めて聞いたとき、最初はそれを理解することができません。ところが、その言葉の意味や使われる状況を理解したうえで練習するうちに、はっきり聞こえるようになるそうです。

英語を聞き流すというのは取っかかりやすいやり方なので、みなさんそこから始めるのだと思いますが、日本人の多くは英語学習の入り口を間違えているのではないでしょうか。

【誤解②】間違ってはいけない

なかなか英語が上達しない人に多いのが、「間違ってはいけない」と気にしすぎることです。これは「情意フィルター仮説」という理論と関わっています。「情意フィルター仮説」とは、人は感情の状態によって、言語の吸収率が5%にも90%にもなる、つまり負の感情を持っていると言語の吸収率が下がる、という理論です。

「情意フィルター仮説」は、第二言語習得研究の第一人者で言語学者のスティーブン・クラッシェン氏が提唱した説のひとつです。

クラッシェン氏は「第二言語習得をするうえで、情意フィルターが高ければ高いほど妨げになる」と言っています。つまり、これまでの「情意フィルターが高い状態で学んできた英語学習は間違っている」と言えるのです。

これが実は日本人が英語を話せない大きな要因になっているといっても過言ではありません。

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