事業所内託児施設を開設した老舗の菓子会社、子育てしやすい職場が企業の成長を支える

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


保育時間は8時から17時30分で、料金は勤務日数や給与によって異なる。たとえば乳児の場合、保育料と給食費を含めて最大で月額3万6000円(正社員)、2万6000円(パート)、母子家庭に対しては、50%割引という制度がとられている。

総敷地面積は1512平方メートル、施設としては園舎と園庭、菜園などを有する。園舎の建築面積は314.2平方メートル、建物の建築様式はオーストリアの思想家・シュタイナーの教育理論を採り入れた造りとした。

 シュタイナーが提唱する人智学に基づいた教育思想は「ヴァルドルフ教育」と呼ばれている。思想を実践するために「国際ヴァルドルフ学校連盟」が結成されており、ヨーロッパを中心に普及している教育法である。日本では連盟に加盟する学校や教育施設は数少ないが、思想の一部を採り入れているケースは少なくない。

さて園舎内を紹介すると、吹き抜けのメインホールとオープンキッチンを中心に、平均24平方メートルの保育室4室が用意されている。すべての部屋に木をふんだんに用い、床暖房を入れるなど、視覚的・触覚的にも温かさが重視されている。

特徴的なのは、シュタイナー理論に倣って、乳幼児のそれぞれの成長過程に合わせた施設造りをしている点だ。たとえばおむつのとれていない乳児と自立して洗面ができる幼児向けに、洗面や手洗を2カ所設置したり、各部屋のインテリアに園児が安心できる色使いや、木や手作りの遊具を用いるなど、設備面の充実ぶりには目をみはるものがある。

通常の託児施設や保育園では、園児たちが集団生活に対応できるように教育されることが多いが、同園では、家庭的な温かさを大切にしている。園の教育目標について、園長の池本加奈氏はこう語る。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事