「努力は裏切らない」というのは嘘だと考える訳 人生のムダを激減させる「努力の捨て方」指南

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この無意識の力を引き出すためには、最初は意志の力を使いながら「できない」を「できる」にする必要があります。ですが、できるようになった行動を何度も何度も繰り返していると、無意識に「やっている」状態になっていきます。

自転車がとてもわかりやすい例です。はじめて自転車に乗ろうとしたときは、「右ペダルをこいで」「次は左ペダルをこいで」という具合にバランスを取りながら運転するのが大変だったでしょう。でも、自転車に乗れるようになった後は、毎回「右足」「左足」という具合に意識してバランスを取りながらペダルはこいでいませんよね。

このようにみなさんは、脳が一度覚えてしまったら、意識しなくてもカラダが勝手に動くようになる、という経験をすでにしているのです。言ってみれば、人間はつねに自分のカラダをマニュアルモードで操縦しているのではなく、頭とカラダに刷り込まれた行動は、オートモードで続けられるようになっているということ。このことも、すでにアメリカで科学的に証明されています。

がんばらない戦略を積極的に活用しよう

とはいえ、マニュアルモードからオートモードにすんなりと切り替えられるのであれば苦労はないのですが、たいていはオートモードに切り替えられるようになる前に意志の力を使い果たしてしまいます。ちなみに、2012年に発表されたアメリカの研究結果によると、新年の抱負を立てた人のうち、実に92%が道半ばで挫折してしまっているそうです。

『がんばらない戦略 99%のムダな努力を捨てて、大切な1%に集中する方法』(アスコム)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

では、意識して「やっている」レベルから、無意識に「できる」レベルになるための壁をどうやって乗り越えればいいのでしょうか? 拙著『がんばらない戦略』では、無意識の力を引き出す方法を、人気放送作家のたむらようこさんとともにストーリー仕立てで解説しています。

理屈はわかっていても、なかなか行動を変えることって難しいですよね。ですが物語で読むと、実は脳にすっとインプットされて行動が変わりやすいんです。

エピソード記憶ともいわれますが、「努力は裏切らない」という、それこそ細胞レベルにまで私たち日本人に浸透している言葉から抜け出すためには、しっかりと解説された内容よりも、脳にできるだけインプットされやすい状況を作らなければいけません。

実際私は、がんばらない戦略を実践したことによって、重要なプロジェクトでもしっかり成果を出せるようになりました。また、20キロの減量にも成功し、身だしなみの改善にも成功しました。

人生は小さな決断の積み重ねです。ですが必要以上に小さな決断を積み重ねてしまうと、いざ、というときに意志の力が使えず、もしかしたらあなたの夢が破れることにもつながるかもしれません。無意識の力を活用して、無駄な意志力の消耗を抑え、重要な決断を正常に行える意志力を残しておきましょう。

川下 和彦 クリエイティブディレクター/習慣化エバンジェリスト

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かわした かずひこ / Kazuhiko Kawasita

2000年、慶應義塾大学大学院修士課程終了後、総合広告会社に入社。マーケティング、PR、広告制作など、多岐にわたるクリエイティブ業務を経験。2017年春より、新しい事業を創造し、成長させることを標榜するスタートアップ・スタジオに兼務出向。広告クリエイティブに留まらず、イノベーション創出に取り組んでいる。著書に『コネ持ち父さん コネなし父さん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ざんねんな努力』(アスコム)などがある。(撮影:原貴彦)

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